トリップ少女は名探偵

11月7日 ページ6

sideKoyuki

母「狐優紀ちゃん、起きた？」
狐優紀「起きました」

あれから四年、私は四歳になった。
もし普通に生きていたなら前世では既に21歳だ。
うわぁ成人してるお酒飲める。
幼稚園には通っていない。
前世から子供に混ざって遊ぶのがすこぶる苦手だった私は母親役だという彼女に幼稚園だけはやめてと死んだ魚の目で訴えた。

母「神様から、聞いてるとは思うのだけど」
狐優紀「松田さんの救済日ですね、今日」

微笑んだ彼女は「よくわかったわね」という。
頬に残っている小さな切り傷を撫でた。
変な傷だ。赤ちゃんであればこんな切り傷すぐ治るのに。そんなに深いものじゃなかった。痛くないんだから。

狐優紀「頬の傷に気づかれなきゃいいんですけどね」
母「気づかれてもあまり問題ないわよ」

あるわ、幼少期に何度も爆弾事件に巻き込まれてたまるか。
松田さんとか絶対観察能力高いじゃん。

母「なにか作戦は考えてあるの？」
狐優紀「ありますよ、ただあなたにも、協力してもらうことになるんですけど…」

神の使い、いわゆる天使である彼女をこき使うのはどうにも気が引けるのだが、彼女の方はあまり気にしていないらしい。

母「構わないわ、あと２年の間しかあなたと一緒にいられないもの…いられる間くらい母親面させて？」
狐優紀「ありがとうございます、では、例のショッピングモールに、連れて行ってくれませんが？」
母「爆弾と正面対決ってわけね、よし、行きましょう、間違っても死んじゃダメよ！」

彼女は私の手をとると、支給されたという車に私を乗せて、ショッピングモールに向かった。

さて、例の能力のご活躍かな？


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