トリップ少女は名探偵

プライベートアイ ページ31

sideConan

頼「何しろ誕生日も血液型も境遇も同じでねぇ…」
初「たまに黙っててもお互いの考えてることがわかったりするのよ！」
蘭「へぇ…」

さっきからずっと黙り込んでいる狐優紀を見やると、なんだか思いつめたような顔をしている。
どうしたと聞いても帰ってくるのはなんでもないという返答。
何でもないはずないんだが。
と、ちょうどその時

ｶﾞｼｬﾝ

頼「お、おい！」
ｳｪｲﾀｰ「す、すみません！」

食器の落ちると音とケーキの落ちたべちょっという音。
狐優紀の顔が、サッと青ざめた。

初「あらー、ケーキ踏んじゃってるわよ！？」
頼「ズボンにもべっとりだ…」

おいおい、大丈夫か？このウェイター。
聞くところによると、彼は今日が初のバイトらしい。
大丈夫だからおしぼりを持ってきてもらえるかと言った初音さんに只今！と言って奥へ入っていったウェイター。
嫉妬心から伴場さんは、色目を使うなとか何とか言ってるが、あそこで初音さんが言った言葉は色目を使ったわけでも無さそうだ。

殿方の独占欲には付き合っていられないと言って立ち上がった初音さん。

伴場さんがどこに行くのか聞くと、どうやらネイルサロンに行くらしい。

浮気したら許さないという伴場さんに、初音さんがキスを落とすと、そのまま店を出ていった。

毛「つけるのは指揮の直前にすりゃーいいのに…どーせ寝る前に外すんだからよ…」

俺もそれには同感したが、どうやら女性は、ネイルをつけたらそのままらしい。
お風呂に入る時もつけているという蘭に、まじかと目を見開いた。

コ(大変だねぇ、女の人って)

狐優紀がその間、悲しげな瞳で伴場さんを見ていたことを俺も、誰も彼も気づかなかった。

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