トリップ少女は名探偵 (ページ4)

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赤子からスタートページ4

sideKoyuki

目を覚ますとここがどこだかわからない部屋の中だった。
試しに手を上にあげてみるとかなり小さい手のひらが目に入る。

狐優紀(本当に転生したのか…)

ひとりその状況を楽しんでいると、外から市内放送のようなものが聞こえる。

〔住人の方は速やかに避難してください〕

…………逃げられませんがぁ！？
確実になにかに巻き込まれているだろこの建物。
注意深く放送とは別の音を聞きとると、ドアの向こうからドタバタと人の足音。

おい、転生そうそう救済か？
失敗したら私お陀仏だぞ。ふざけるな神。

こんなところで死んでなるものか。
今私に出来ることはこの体じゃぁちょっと限度がある。

なんせ赤ちゃんだからねっ！？
ハイハイと泣き声しかあげれないからね！？

狐優紀「(ん？泣き声…そうか！)うぇーんうぇーん」

自分でやってて恥ずかしい。
喋れないからしょうがないけども。あぁ死にそうだ。

？「赤子！？っておいおいちょっと待て！！なんで解除したのに点滅してんだよこれ！？」

……うわぁ…。萩原さんだ。

でも気づいたのか。なら彼が逃げる時間くらいはあるな。

と思ったら扉から物凄い音がする。
え、体当りしてるの？

しばらくびっくりしながら音の方を見ていると、人が一人入ってきた。

萩「松田！ベランダしたに救護用マット！！大至急！！」

最後飛び降りると付け加えた彼に嘘だろぉぉぉぉ！？
とガン見しているとひょいと抱えられた。

萩「赤子置いて逃げるとか…ひっでェ親もいるもんだな…ちょっと怖いけど頑張ってね」

それ、赤子にいう発言じゃないよ。
萩原さんはベランダのフェンスに足をかけると背後のピーッという音とともに飛び降りる。
爆風で飛ばされ飛び散ったガラスがほほに傷をつけるが、あとはなんの外傷もなく無事マットに着地した。

狐優紀(ひぇっ…とんでもないことするこの人)
？「萩原！」
萩「あっぶねぇー…」

真上から別の男性の声。
サングラスをかけて猫っ毛で…ってこの人松田さんか！！

松「お前よく無事だったな…」
萩「この子がいなかったら無事じゃないよ」

見下ろした2人にｷｬｯｷｬｯと笑って見せれば笑われた。

松「ﾌﾊｯあんだけひでえ目に遭ったのに笑ってやがる」
萩「不思議な子だなぁ、ほっぺ怪我したのに泣きもしないなんて」

痛くないんですよね～。

？「狐優紀！！」

ん？誰？