トリップ少女は名探偵

今すぐ引き篭もりたい ページ13

sideKoyuki

狐優紀「……はぁああああああああああ！？」

江古田の住宅街に、一人の少女の叫び声が響く……って私なんだけど！！

事の始まりは3分前、いつものように郵便受けを見に行って、数枚手紙が入っていたから中身を開けてみて、最後の一つを開いて見てみれば……

《やぁ、元気にしてるかい？
実は君の家を工藤邸の前にするという話をすっかり忘れててね…
さっきやっと手続きを終えたから、手紙を送ったんだ…
あと半日もすればそこにある荷物は全部そっちに飛ぶから、きっこ氏は今日中に済ませてね！》

というなんとも腹立たしい手紙。
思わずぐしゃりと握り潰した。

忘れててよ！！永遠に！！

しかもつい先日ネットニュースで木馬荘が全焼したってなってたから

狐優紀(…工藤邸に沖矢昴いるじゃねえかクソ野郎！！)

この分だと安室透や世良真純と対面するのも遠い未来じゃないぞ。
冗談じゃない。あの洞察力推理力観察力化け物の4人に会えってか？殺す気かあのバカ神ぃいいいいいい！

狐優紀(いや！無理無理無理無理！！)

思わず首をブンブンと振る。
しかし、トリップしてしまった以上は、私は主要人物には関わらなきゃならないのだろう。

私は一つ溜息をつくと、死の都、米花町へと歩を進めた。
新しい鍵はカバンの中に入っている。
ここにはもう用はない。

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