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仲の悪いガールズバンド20 ページ20

狐優紀side


染「あんたに何がわかるんだ!?」

狐優紀「被害者の気持ちも、容疑者の気持ちもわかりません…取り残された遺族の気持ちを除いてはね…」


周りの息の飲む音。
一拍置いてから私はもう一度留海さんに向き直った。


狐優紀「萩江さんを殺害したのは留海さん…あなたですね?あのニット帽を使って…」

留「そうよ…朱音が編んだニット帽だったから…わざわざ使ったのよ…」

染・唯「「え?」」

留「朱音の恨みを思い知れってね!!」


朱音さんが喉を潰した理由は、萩江さんが酔った勢いでもっと歌声に深みが欲しいと言って、それをまにうけた朱音が飲めないお酒でうがいをし、クッションを顔に押し付けて大声を出だしたから。

なんとかハスキーボイスになったのに、萩江さんが【なんだよ?その声…前の方が良かったよ…仕方ないから次のライブのボーカルは唯子がやりな!朱音は歌うな!!】と言われてしまい、朱音さんは数日後、車に飛び込んでしまった。


染「いや…あれは交通事故で…」

留「自○よ自○!!でなきゃあの朱音が信号無視なんて…」

唯「違うよ留海…」


信号無視で車道に飛び出したのはどこかの男の子。
朱音さんは男の子を助けようとした結果、車に轢かれて亡くなった。


留「う、嘘よ…だって萩江、朱音の葬式の時言ってたもの【朱音が死んだのはじぶんのせい】だって…」

唯「それはきっと朱音が萩江の言いつけを守ったからだよ…」


萩江さんは朱音さんに、喉が治るまで絶対に声は出すな、その程度の枯れ具合なら絶対に元の綺麗な声に戻るから、酔った勢いで変なことを言ってごめんと言っていたそう。

朱音さんはその言いつけを守るために、男の子に危ないという前に、体を張って助けようとした。それを見ていた周りの人たちが言っていたと染花さん。
そしてそれは朱音さん自身にも悲劇を招くことになってしまった。

留海さんは朱音さんが亡くなったショックで寝込んでいたから、それを知らず、萩江さんを殺してしまったのだ。


留「そ、そんな…私、どうしよ…萩江を…そんな…」


うわあああ


後悔の絶叫が貸しスタジオにこだました。
殺人者の声が枯れるまで……


私は留海さんの肩に手を置く。


狐優紀「起きてしまったことは、取り返しがつきません…留海さん、きちんと罪を償ってください…そして萩江さんの分も生きてください」


きっと萩江さんもそれを望んでいるはずだと言えば留海さんはまた泣き出す。
私はそれを黙って見ていた。

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作者名:スノーローズ | 作成日時:2018年3月1日 0時

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