役職:悪女……のはずですが？？ (ページ3)

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私は何の変哲もないただの高校生だった。

朝起きて、学校に行き、授業を受け、友達と寄り道しながら帰宅する。そんな日常を送っていた。

だが、あの日…

委員会の仕事があり、私は1人で帰っていた。
18時をすぎていたこともあり、辺りは少し暗くなっていた。

完全に暗くなる前に早く家に帰ろうと足を進めようとした、その時だった。

路地裏から走ってきた男性とぶつかり、尻もちを着いて転んでしまった。

『い、たた…』

「……」

『すみません、ぶつかってしまって……え、？』

驚愕だ。
路地裏から出てきたこの男は手に刃物を持っていた。
血がべっとりと付いていて、顔にも服にもこびり付いていた。

『ぁ…ｯ』

「ﾁｯ」

男は軽く舌打ちをして、持っていた刃物を振りかざした。

『いﾞぅ…ｯ』

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。

さ、刺された？？お腹が熱い。血が出て、る……？？

なんで？？

ただ、一人で帰っていただけなのに…

『…や、…いﾞゃ…だ。死に、たくないﾞ…ｯ』

ドクドクと流れる鉄臭い真っ赤な血。
お腹が熱くて、痛くて、苦しい。

やだな。まだ死にたくないのに…。
だって私まだ高校生だよ？
人生なんてこれからなのに、死んじゃうの？

『…ﾋｭ…ﾋｭ-……ｹﾞﾎｯ…』

お父さん、お母さん…ごめんね。私もう無理、みたい…

あぁ、友達のみんなにも会えないのか。今度一緒に遊びに行こうって話してたのにな…

まだ、生きてい…たか……た…。

そして、私は1度目の人生を終えた。