後が怖い ページ6
そして最後 持久走
これはまぁ普通だっかな
お姉ちゃんと橙は個性の腕が重くてあんまり長く走れなかった
さてボクの番
＿＿＿平均値くらいまでは走った まだ走れたんだけど
『いてっ』
思いっきり転けた
両膝に大きな擦り傷ができて
赤い血がとまらない
血液見るの嫌いなのトラウマなの
嫌だ嫌だ嫌だ
痛いのは嫌いだ
赤いのは怖いんだ
お願いやめて
止まって
しかし痛いし血液怖いしで動けない
泣きそう
「大丈夫か？」
怖くてほんと涙出そうになった時 話しかけてくれた紅白頭の青年
ぎゅっと服を握って大丈夫だと答えたかった
声が震えて上手く声が出ない
「膝 血ィ出てるだろ」
『う…あ……』
なんだよこれ
イケメンと赤児語しか出せない少女って
どういう絵面？
目がぐるぐると回る
どうしようどうしよう
どうすればいいの？
流石にこんな長い沈黙はおかしいだろう
目の前の紅白くんは首をかしげる
「轟 許せ そいつは血に対して免疫があまりにないんだ
悪いが保健室に連れて行ってやれ」
「はい」
轟くんか そっかって名前のことを考えながら
膝から流れる生暖かい赤い液体の存在を無視しようとする
「立てるか？」
手を差し伸べられるのでその手を掴む
しかし立つということは重力に従いあの赤い液体も足を通るわけでして
伝う生暖かい液体に寒気がして地面に座り込んでしまう
ダメだ ここまで耐性がないなんてヒーロー失格だ
そもそも ボクらがヒーローなんておかしかったんだよ
突如 体が浮いた
いや浮いたっていうか抱かれた？
轟くんが軽々とボクを姫抱きしていたからだ
『＠；＄％＋＊＃＆！！！？？？』
「？」
もはやパニックですっかり膝の怪我など忘れていた
意味不明な言葉を口から吐き出し それに轟くんは？を浮かべていた
お姉ちゃんは殺気立ち
橙は苦笑いで見送ってくれた
後が怖ぇ……
そんな恐怖を片隅にボクは保健室へと連れてかれた
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作者名：死神 | 作成日時：2017年10月11日 18時
