援助金 ページ9
クリス視点
翌日です。
王「では勇者には報奨金と援助金、聖女には支度金を渡すとしよう」
王「クリス殿には見事な解呪をしてくれた。今後の期待を合わせて、銀貨一〇〇〇枚」
……これで何を買いましょうか。
王「モトヤス殿には今回の活躍と依頼達成による期待とをあわせて銀貨四〇〇〇枚」
この世界の金銭感覚はまだよくわかりませんが、相当な額なのでしょう。
王「次にレン殿、やはり波に対する活躍と我が依頼を達成してくれた報酬をプラスして銀貨三八〇〇枚」
錬様は『王女のお気に入りだからだろ……』と毒づいています。
なるほど、元康様は王女のお気に入りだからなのですか。
王「そしてイツキ殿……貴殿の活躍は国中に響いている。よくあの困難な仕事を達成してくれた。銀貨三八〇〇枚だ」
樹様も同じ額……
尚文様も同じ額かと思いきや、
王「奴 隷紋の解呪代として援助金はなしとさせてもらう！」
……いや、解呪は私がしたのでお金は掛かっていませんよ？
樹「さすがにそれら無いと思います。勇者同士の戦いにおいて不正を行ったにも関わらず、勝手に奴 隷紋を解いておきながら援助金を支給しないのはどうなのですか？」
錬「そうだな、俺も見ていたが、ルール上では尚文が勝っていた」
樹「返答次第では尚文さんが本当に性 犯罪を犯したのか？という所まで遡ることになります」
王女「違いますわ、イツキ様、レン様！」
あ、王女様。
王女「盾の勇者は魔物を隠していたのです。ですから決着の判決を見送ったのです」
いや、納得はできないでしょう。
攻撃力が無い尚文様に対して決闘を申し込む方がおかしいのです。
樹「それでもあなたの行ったことは反則です」
錬「最低限の援助金は必要なんじゃないか？」
王「……しょうがない。最低限の援助金だけは支給してやろう」
ラフタリア「では王様、私達はおいとまさせていただきますね」
ラフタリアさんと尚文様は謁見の間から出て行きました。
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作者名：桜小路美彩 | 作成日時：2019年3月29日 22時
