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色を視たツムルは、堪らず子供を腕に抱き寄せた
ツムルの目に写った色は、困惑、動揺、不安、マイナスな感情と共に、
歓喜、そして未知への恐怖の色が見えてしまったから。
ツムル「大丈夫、大丈夫だよ。怖くないから。Aちゃんはさ、嬉しかったんだね。
びっくりしたよなぁ。分かんない気持ちが急に溢れ出ちゃって、結果それが涙に変わっただけだ。
怖くないよ。
大丈夫、ただ、嬉しかっただけなんだ。
大丈夫、“先生”がついてるから。
大丈夫、大丈夫。ゆっくり息しようなぁ。」
ツムルは自身も泣きそうな気持ちになりながら声をかけ、腕の力を強める。
ツムルの言葉を聞いた教師達は驚きに満ちていた。
ただの嬉しいという気持ちに?
人生で誰しもが感じたことのある感情。
実際Aも喜んでいたことだってあって、
そこではたと気づいた
Aが喜んでいたのは知識が増えたからだ。
自身の力が増え、喜んでいた。
それを、肯定するものがいなかったら。
彼女には親兄弟がいない。
彼女の行動や成長に喜びを示し、彼女の成果を認める者がいなかったら?
Aの話の中で、彼女が認められたことが1度でもあったか?
彼女の努力が実を結んでそれを心から喜び、祝った奴がいたのか?
理事長がAに慈愛を向けているといっても、彼は13冠。
彼女は番人で、彼は三傑。それは事実。
彼女を愛する彼らの言葉を、Aが世辞だと一蹴してしまえば
彼女の
教師達はツムルの腕の中にいるAに目線を移した。
ツムルの腕の中で泣き方を知らない赤子のようにしゃくりあげながら、背に腕を回す。
『わっ、たし、っ、ひっ、子供、やっ、ぁ、あくま、っひ、だなんて、ぃ、言われたこと、っ、なく、っひ、て、っひッ、ひッ、ぅ、うれし、っ、かった、ヒック、んで、しょう、か、っ、。』
ツムル「うん、嬉しかったんだよ。そりゃ悪魔に生まれたんだもんなぁ、嬉しいに決まってんだろー?」
『わっ、たっし、は、んじっん、だ、っひ、から、っふぅ、ふ、あんで、ッフ、み、っな、悪っ、魔、っフ、だから、わたし、っひ、なっんかが、っヒック、まもれ、ック、てるのか、ヒッ、っかんなく、ふっ、ふっ、てっ、、!』
ツムル「Aちゃんのおかげで魔界は存在してるし、俺はAちゃんが番人じゃなきゃやだな。Aちゃん以上に凄い努力家な人、きっと居ないよ。」
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ひのや(プロフ) - 名無しのメダカさん» ノリがいいメダカさんナイス過ぎィ!!作者の野望はいつか読者様方の横隔膜も破裂させることです()。野望達成のため夜更かしも程々に作者は寝ます。 (2月7日 23時) (レス) id: cd87d954a1 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのメダカ(プロフ) - ひのやさん» 返しにめちゃくちゃツボったでやんすっww、もう全然ご贔屓にさせていただきますよ。ゲッヘッヘ、これからも更新頑張ってもらうでやんす(悪ノリ) (2月7日 23時) (レス) id: 46b73a4ede (このIDを非表示/違反報告)
ひのや(プロフ) - きゅさん» ふぇぇええぇ、なんのことか、作者わかんなぁぁぁぁい。ふへへへへへへへへへぇ(ビブラートましまし) (2月7日 13時) (レス) id: cd87d954a1 (このIDを非表示/違反報告)
きゅ - えっっっっっっっ((アウトっすよ〜!! (2月7日 13時) (レス) @page20 id: 58ff2b5437 (このIDを非表示/違反報告)
ひのや(プロフ) - 名無しのメダカさん» コメントありがとうございます!げっへっへ、いいんでゲスよ!是非今後ともウチをご贔屓にね、アイィ!!(キモくてすみません) (1月23日 18時) (レス) id: cd87d954a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひのや | 作成日時:2023年7月4日 19時