【魔入間】魔界に愛された少女５【愛され・逆ハー】 (ページ16)

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ダリside

くるくると喉を鳴らして僕に擦り寄る彼女は可愛いし、蕩けるような表情に赤く熟れた肩肘は情欲を掻き立てる。

ランジェリー姿も早く何とかしないとなのに、この閉鎖空間に漂う彼女の魔力に気圧され身動きも取りずらい。

『せんせー、じゅぎょーはー？』

ダリ｢この状態の君置いてける訳ないよね〜！｣

こっちの気も知らずにほにゃほにゃした身体を押し付けてくるこの子は本当に厄介極まりない。

それを拒まず受け入れてしまってもいいのではと思い始めた僕も僕だ。

ダリ｢(本当に、僕で良かった。)｣

老若男女問わず惑わせてしまう彼女の容貌にこの蕩けた今の状態は本当に宜しくない。

そこに番人の魔力を漂わせているのに当の本人には今自衛の術がないのが悪質だ。

弱く、美しく、儚く、柔く、妖しく、危うく。

ここまで悪魔にとって極上の弱者(餌)になれるのも貴重な才覚だ。

『んふふ〜！せんせー独り占めしてい？』

ダリ｢お姫様の仰せの通りに。君のもてなしにもう1人呼んでも？｣

『やったー！！』

身体の上でぱたぱたと脚をばたつかせられているのに仔念子に足踏みでもされている軽さに胸が痛む。

この頃緩くなった涙腺を引き締めるために深く息を吸うと、甘いバニラの香りが鼻腔に届いた。

手が無意識に彼女の背中に向かう。

僕は彼女に手を出す訳には行かない。

『ふふーんふふーん。』

知らない鼻唄を歌っているこの子は僕の生徒で、子供だから。

子供扱いに泣いて喜んだ彼女に胸が痛くなって。

生徒相手でも知らなかった痛みに瞠目して、この子を子供のままで居させてあげたいと強く思った。

逃げたくなった。

同年代よりも薄く細いその背中に空を翔る翼がないのも、
柔い指先の桜貝に獲物を狩り取る鋭さがないのも、

全部が全部彼女が僕と違う在り方で生きているのだと突きつけられたようで。

遠ざけたかったはずだ。

僕がこの柔い存在に爪を立てるのを、この柔いのは微笑んで受け入れてしまいそうだったから。

僕らが気にも留めずに踏みつけにする何かをこの子は傷つきながらもその背に抱えて生きていくのだと知って。

それなのに

この子の近くは泣き叫びたくなるくらい、暖かで。

ダリ｢ほんと、僕で良かったね。｣

ダラりと手を、ソファから投げ出した

『ん〜？はい！せんせーで良かった！』

何も知らずにへにゃりと笑うこの子にはやっぱり少し灸を据えるべきかも知れない。
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