【魔入間】魔界に愛された少女５【愛され・逆ハー】 (ページ13)

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ブランケットに包まる黒い波から濡れた毛束が緩慢な動きで活動を始める。

瞳が覗く。

ダリ｢Aちゃん、おはよ！｣

気付かれなかっただろうか。一瞬息を止めたこと。

ダリ｢(淀んでる。)｣

最近は記憶の中でしか会えなかった青紫は、すとんと温度を落としてきたように真っ暗で底がみえない。

月光の淡い光はどろりと溶けて袋から取れない飴のように淀みが光を覆い尽くしていた。

正常な頭の何処かで、毎年バビルス2年生が受ける授業の内容を思い出していた。

これは魔界の祖。初代番人ルキフェル様が大昔仰った、森と、番人の仕組み。

番人は魔界。魔界は魔力。魔力は生きとし生けるモノに宿る。勿論、悪魔にも。

そしてその命の輝きを失った“モノ”の魔力は全て例外なく、夢幻の森の泉に還る。

泉は綺麗だ。清廉だ。だが、綺麗すぎて、清廉すぎて、

泉にとって一度“外”に出た魔力(魂)は汚すぎる。

でも受け入れない訳にはいかないから泉の流れに、世界の流れに還すために、一度全て綺麗にする。

綺麗にして、清廉にして、そしてまた限りのない生命の誕生の為に【綺麗すぎる】魂(魔力)を“外”に適合出来るようにする。

それが、番人の役目。

流れに手を出すことを魔界に認められ許された存在。

流れをその御身に廻らせ恩恵を受けることが出来る存在。

ダリ｢(Aちゃんも、番人なんだからいつか来ると思ってたけど、まさか今、この瞬間だったなんて。)｣

だが勿論、デメリットもある訳で。

浄化した泉の魔力が身体に少しづつ、少しづつ、浸透していき。

少しづつ、少しづつ、だが着実に。

泉にも拒絶されない程の微弱な、魔力(魂)の穢れは、番人の身体に溜めてしまうというのだ。

そして、

『あれぇ〜、ダリせんせ〜じゃないれすか〜！！！』

ダリ｢いやまさか悪周期と被るだなんてね！！！！！！｣

【エクサスサイクル】を引き起こす。

やっぱりね！！マジかー！！今来たかー！！

《番人にのみ訪れる悪周期のようなもの。

人間界で言うオーバーワーク(働き過ぎ)

特徴：淀んだ瞳、馬鹿になる》

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～ルキフェルのエクサスサイクル時～

ルキフェル｢おー。俺とバルバトスがモグラを食ってタップダンスを殺したいと。いいだろう。チキンとハーモニカしてから飛ぶんだぞ。デルは審判にしようか。｣

デルキラ｢は……？何も言ってないが…？｣