172 ページ11
・
・
問題児クラスに勝ち取られた「王の教室」の鍵を開け終えたら、一度教師は授業の支度やHRの準備の為に解散した。
例に漏れず僕も1時限目の授業の為に準備室に向かって人気のない廊下を歩いている最中のことだった。
ぐわん、と何かが揺れる音がして高い天井を見遣るとポッカリと黒い、否、何処までも深いアントシアニンにスピルリナ青色素を垂らしたような色が覗いた。
じゃあ、黒はなんだ。
「ッ!」
僕はあの黒をよく知っている。
どんなに色を混ぜ合わせてもお目にかかれない。
ベンタブラックよりも黒く深く、1本1本が天使の輪を織り成す絹糸の御髪。
なんで、どうして、
そんなことを考えてる暇なんてない
黒が見えているということは頭から落ちているということ。
突然のことに硬直してしまったコンマ数秒も惜しい気持ちで、軽量化の魔術をかける暇もなく腕を伸ばした。
トンッ、と人1人落ちてきたとは到底思えない質量を胸に抱き抱えて、受け止めきれたことに安堵すればいいのか年若い女生徒の不摂生を嘆けばいいのか分からなくなった。
少なくとも今の僕はこの子の不摂生を咎めれられる立場にあるのだから、後日ピス先生やツムル先生、それに彼女の担任も交えて話し合いの場を設けよう。
「…。」
なーんて上に目を向け現実逃避をしても瞼を閉じ切り、眉をしかめて浅い呼吸を繰り返す子供の体調が良くなる訳では無いし、
もっと言えばこの非常に情欲を煽る所謂セクシーなランジェリーは、カッチリとした制服やスーツに変わる訳では無い。
サテンで出来たつるりとしたえっちぃ下着。今すぐに脱がしてしまいたい。
いや、違う。決して厭らしい意味ではなくて、
僕はただ別の服を用意しようと、、あ、ちょ、魔官署は勘弁して、、。
それにしても、
ダリ「ほんっっとに、何処から降ってきてるんだか。」
ダリside
ダリ「Aちゃん、Aちゃん。」
声をかけ軽く揺さぶるが、唸り声は聞こえても瞼は上がらない。
こんな廊下のど真ん中で下着姿の魔界一と言っても過言では無い美貌を持つ女生徒を抱えているとなれば、また新聞師団にあることないこと書かれるに決まっている。
早々に本人を起こすことに見切りをつけて準備室へと歩を進めた。
あれは見て腹を抱える分には構わないが当事者になるのは御免だ。
・
・
537人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お茶漬けモドキ(プロフ) - ひのやさん» 了解しました!ありがとうございます! (4月25日 8時) (レス) id: d14560e55c (このIDを非表示/違反報告)
ひのや(プロフ) - お茶漬けモドキさん» できたと思います! (4月25日 8時) (レス) id: cd87d954a1 (このIDを非表示/違反報告)
ひのや(プロフ) - お茶漬けモドキさん» おけです!少し見てきますね! (4月25日 8時) (レス) id: cd87d954a1 (このIDを非表示/違反報告)
お茶漬けモドキ(プロフ) - ひのやさん» こちらこそすみません💦続けてお手数お掛けしますがXのDMを公開して頂くのは可能ですか?設定から機能を選択できると思います。 (4月25日 8時) (レス) id: d14560e55c (このIDを非表示/違反報告)
ひのや(プロフ) - お茶漬けモドキさん» あっ👉🏻👈🏻💦すみません!ありがとうございます。アカ名了解です。 (4月25日 8時) (レス) id: cd87d954a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひのや | 作成日時:2023年12月20日 0時