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エイトフットside


「初対面とは言え、私は貴方を『理解してくれる大人』として話させてもらいます」

そう言い話し始めた人間の女。

軽々しく話し始めたと思えば、内容はかなり酷いものだった。

『虐待』

親が子へ手をあげる事。

暴力だけでなく、言葉や身勝手な交びなどがあるという。

2人はその『虐待』を受けているらしい。



「亜希…もう1人の子の事は私が勝手に話す事が出来ないので話せません。ですが、あの子も酷い虐待を受けています。

なので私ともう1人の子は、虐待を受ける日々を終わらそうと決め、今日は最期の思い出作りに来ていたんです」

とても素敵な一日でした。と微笑む女の顔がやけに頭に残った。

儚く美しいというのはこういうの顔を言うのだろうと、柄にもないことを考えてしまった。

「人間も苦労してんだな」と俺が言えば、

「……えぇ。皆が皆ではないですけど、人間も苦労して生きてますよ」

そう言い溜息をつく女の頭に自然と手が伸びていた。

女は一瞬身を強ばらせたが、すぐに俺の撫でる手を受け入れた。



エイトフット「お前、名前は?」

今更すぎるが、きちんと本人の口から聞こうと思い名前を尋ねた。

「Aです。苗字…Family nameは、今言った親と一緒なので言いません」

エイトフット「構わねェよ。それより、寝なくていいのか?」

こいつから話し始めたとは言え、時間も時間だ。

エイトフット「仕方ねェな。部屋まで送ってやる」

ほら、行くぞ。と俺は立ち上がった。

ところが……

「エイトフットさんは、私が寝れないって言ったらどうしてくれますか?」

エイトフット「はァ?」

「お誘いしているんじゃありませんよ?ただ気になっただけなので」

変な事聞いてすみません。話聞いてくれてありがとうございました。そう言って部屋を出ようとするA。

「っわ、どうしたんですか?」

気づいたら俺はAの腕を掴んでいて、無意識にしていた事だから自分でも驚いている。

少し考え、出した答えは、

エイトフット「あー……寝れねェなら、仕事手伝え」

初対面のしかも人間相手に何言ってんだと自分でも思う。

けどそれ以上に、こいつを放っておいちゃいけねェと俺の頭が言う。

この時にはもう一目惚れしていた事に気づくのはもう少し後の事。

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はるまき(プロフ) - 続きが気になる... 更新待ってます! (2022年10月2日 21時) (レス) @page34 id: 7c9c8aed08 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴぴっぴ(プロフ) - 猫目石さん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです! (2020年9月15日 17時) (レス) id: 4901628f15 (このIDを非表示/違反報告)
猫目石(プロフ) - やっぱりこの作品好きですわぁ、、、 (2020年9月14日 17時) (レス) id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴぴぴっぴ | 作成日時:2020年8月14日 23時

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