推し様の夢を見たい (ページ29)

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『ん…もう朝…？』

あまり寝た気はしないなと思いつつ目を開く
油断してしまっていたのだ

JK「お久しぶりです、Aさん」

え？

JK「またこうして会えるなんて」

『じ、ジョングクさん！？……えっと、それは私も思っていました、けど』

慌てて身体を起こすが
紡いでいた言葉が尻すぼみになっていく

そのまま髪の毛を指先で弄んでいると
ため息が聞こえてきて冷や汗をかいた

JK「あ～、ずるいな」

『…あの？』

そのまま声を捻り出すと顔を覗き込んできた
ことによって息が止まりそうになった

最初に夢で会ったジョングクさんよりも
何となく距離が近いような気がする

JK「そうだ。ヒョン達からAさんの話は聞いていますよ」

『ならジョングクさんも、わか…分かっているんですか？』

JK「現実と繋がっていることや、AさんがARMYであることなら」

『お、おお…』

…どうしよう、上手く言葉を返せない！！

緊張で冷えた手を擦りながら俯く

JK「ふふ、そんなに緊張しないで下さいよ」

『す、すみません、やっぱり好きな方なので…』

JK「…嬉しいです。でももっとラフに話しましょうよ。BTSのジョングクではなくて、チョンジョングクとして、ね？」

『……努力してみます』

傍から見れば彼より私の方が人見知りに見える

…あれ？ジョングクさん人見知りなはずなのに
よく普通に話せるな、凄いや

私はどちらかと言えば人見知りをしない方だ
尚更普通に接しないとジョングクさんにも失礼かも

それは良くないな、と考え顔をあげると
私の方をじっと見つめていた彼と目が合った

JK「Aさんの方が年上だから、まず敬語からやめましょうか」

『ちょっとそれは、』

JK「…俺以外の皆にも敬語で話しているんですか」

『いや、そんなことはありませんけど…』

JK「ならいいですよね」

輝いている瞳で見詰められたらもう無理だ

確かにタメで話している人もいるから
無理だとは言えない

『…分かった！』

JK「やった、嬉しいです」

言葉通り本当に嬉しそうに笑ってくれるから
不覚にもときめいてしまう

チョンジョングクって
こんなにあざとい生き物でした？