推し様の夢を見たい (ページ15)

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私はベッドに腰かけ、彼は椅子をベッドの近くに持ってきて座っている

先程までの距離はなんだったのだろうか

NJ「本当にもう大丈夫ですか？」

『大丈夫です、この通り元気ですから！』

また様子を伺うように聞いてくる彼に向かって胸を張ってみせる

NJ「何かあれば絶対に言ってくださいね」

『ふふ、分かりました～』

そもそも唸っていた原因はナムジュンさんなんだけどね、と言いたいところをぐっと堪えて返す

ドン引きされるのが怖いもの

NJ「Aさん」

『何ですか？』

NJ「…防弾少年団って、知っていますか？あ、BTSと言った方が分かるかもしれませんね」

全身から汗が出るかと思った

ジョングクさんの時から私がARMYだってことは教えていない

こんな所で2人きりなわけだからサセンだと勘違いされるのも嫌だし、素のみんなとお話がしたいななんて思っていて

……いや夢の中なんだけどね

ぐるぐると色々考えるが何も思いつかない。
だが嘘をつくのも苦手だからと、正直に答えることにした

『…知っています』

どう思われるのかが怖くて中々彼の顔を見ることが出来ずにいると予想とは違う言葉に戸惑った

NJ「そっか…嬉しいですね。Aさんにも知られているなんて」

嬉しそうに笑うものだから色々な気持ちが溢れ出す

ああ、もう隠さなくていいよね

『好きです……』

NJ「え？」

『大好きです！』

片手で自分の赤くなった顔を隠す姿にまた心臓がやられそうになる

…あれ？私告白したみたいになってない？

『あっ、あ…ええと、防弾少年団！大好きなんです！！』

顔に集まった熱を冷ますようにパタパタと手を動かすと私の方に向き直ってくれた

NJ「ありがとうございます、Aさん。…照れているところを見られてしまうなんて、すみません」

『謝らないでください！私、ナムジュンさんの照れた表情も好きなんです』

NJ「…っ、そうですか」

彼の表情を見て言ってしまった言葉に慌てて口を塞ぐと、2人して顔を赤くして黙り込んでしまった

…

……

………

カチ

あれから沢山話し込むと朝が来る音が響き渡った

『ナムジュンさん、またお話しましょうね！』

NJ「勿論です、またお会いしましょう」

まるで分かっていたかのように目を細めて微笑む彼の姿を最後に夢から覚めた