推し様の夢を見たい (ページ2)

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「…ね、……き……ねえ！」

『ん…っ、え？』

体を起こして目を開くと石のように固まってしまった

綺麗な顔立ちをしたチョンジョングクくんが目の前にいるではないか！！

え！？なに！？なんで！！？

JK「……良かった、目が覚めて。大丈夫ですか？」

『だ、だだ…大丈夫です……』

JK「……」

何も言わずにこちらをじっと見つめてくる

視線に耐えきれずに顔ごとそらすと、遠慮がちにまた声を掛けられた

JK「…ここが何処か分かりますか？」

ハッとして周りを見渡せば頭上に疑問符が沢山浮かぶ

見覚えのない部屋だ

『わか、りません…』

JK「ですよね……困ったな」

ガシガシ、と頭をかく姿すらかっこいい

いやそうじゃなくて何なのここ！！

どこか分からない恐怖と推しグループの1人がいるこの状況のせいでうるさくなる心臓を抑え、どうしたらいいのか考えていると笑い声が聞こえてきた

え、いやかっこいいって……

JK「少しは大丈夫になりましたか？実は貴方が起きる前に一通り家を調べてみたのですが……」

彼の話の通り実際に部屋から出ると家は大きく部屋が沢山あり、必要最低限の物は揃えられていた

だが誰かが生活をしている様子は無かったのだ

本当に、私達しかいない

取り敢えず先程の部屋に戻ってベッドに腰をかけると
気を利かせてまた声を掛けてくれる

人見知りなのにごめんよ……

JK「外に出て助けを求めた方がいいのだろうけど、何故か危ない場所では無いような気がして…」

あ……

『私も、です。…ええと、何ででしょうね？』

JK「貴方もそう感じるんですね。あ、そうだ…俺、チョンジョングクっていいます。」

ええ、知っていますとも

でも自己紹介って大事だよね！

『A…ユンAです！』

JK「Aさん…」

自分の顎に手を添えてこちらを見ながら名前を呟く彼

我が人生に一片の悔いなし

だって名前を呼ばれたんだよ！？

心臓が口から飛び出そうなほど緊張していたのに会話を続けることで段々と楽になっていった