検索窓
今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:12,989 hit

事故みたいなもん ページ1

— — — — — — — — — — — — — — — —















やはり、勘違いではなかった。






その視線に気づいたのは、あんずが初めて登校した日からだった。場所は自身も通う校舎から始まり、賑やかな食堂に部活に励む様子が見える校庭から、何の変哲もない道まで。あんずは自意識過剰かと己を疑いながらも、警戒したことに越したことはない、と相談した仲間──Trickstarに周りを固められながらも日常を過していた。


もうすぐあんずが転校して1週間になる。未だ視線を感じながらも、物珍しい女子生徒だから視線を感じているだから、と結論付けようとした矢先。


「……っ」


これほどの憎悪を向けられたことなどない。けれど、剣を突きつけられているかのような殺意が込められた瞳を向けられていても、あんずは思ったよりも平気だった。いや、もちろん恐怖は感じているが、憎悪と殺意を向けてきた赤いネクタイを付けた美青年は、男性らしい綺麗さを持つけどどこか初々しく可愛らしい顔立ちだし、『紳士なのだから』『相手は女性なのだから』とぶつぶつと呟いている言葉を聞く限り、あんずに危害を加える気は無さそうだし。
あんずは恐怖と驚愕が1周周り、謎の余裕が生まれていた。


「あの、わたしに何か?」


「っ!」


びくり、と身体を震わせた1年生は、きゅっ、と形のいい眉を動かした。


「…貴女に非は無いと分かっているのですよ。愚かなのは偉大な『姫さま』がいらっしゃるというのに、寄りにもよって何も知らない未熟な素人を連れてきた学院です。」


よく分からないが、当たり前のように貶されていることは分かる。
否定できない事実とはいえあんずは少し『いらっ』としながらも、違和感が気になって追求する。






「『姫さま』?」
















— — — — — — — — — — — — — — — —

第二話→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
171人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:名無し18599号 | 作成日時:2024年3月12日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。