第八話 ページ10
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Aは強引に斑の腕から飛び降り、両手に持っていたドリンクを英智と敬人に渡す。
そのまま斑の後ろまで戻り、『ひょっこり』と顔を出した。
「なぁんか、皆さん背が高いので、悲しくなってきますね。わたしもせめて、せめて、平均までは伸びたかったです……」
「ははは！Aさんの身長は153cmで、確か女性の平均は158や159やらだったか。う〜ん望み薄だろうなあ！」
「うっ」
『しょんぼり』と頭を落とし、けらけらと楽しそうに笑う斑の背中を『ぽかり』と叩くA。
「ともあれ、君たちは大事なお客さんだからなあ！接待したいんだよなあ、Aさんが手ずから用意した飲み物だぞお！Aさんが手作りした飲み物を飲めるなんて、なんて幸運なんだろうなあ！健康に良いし胃に優しい！こんなものが作れるなんて、Aさんはいいお嫁さんになる！よっ、男の予想の大和撫子！」
「恐縮ですし、褒められてる気がしませんね…」
「気が利くね。僕も紅茶部として、このおもてなしの心は見習わないと」
そう言った英智は一口飲んで微笑んだ。
そんな英智を斑の後ろからAは意外そうに見て、少し微笑んだ。
「どうしても育ちのせいか、性格が悪いのか、自分本位になっちゃうから」
「いやあ、自分本位じゃない人間なんて気持ちが悪いぞお！Aさんやアイドルというものはそういう生き物で、お客さまの喜びが全てなのかもしれないけどなあ？そんな生きかたは不自然だし、容易に人間らしさ失いがちだなあ……ほうら、Aさんを見てみなさい。これがそのお手本だ」
「それについては同意するよ」
「ふえっ？いきなり罵倒されたっ？！」
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作者名：名無し18599号 | 作成日時：2024年3月12日 14時
