第六話 ページ8
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「……テンシもたぶん好きだろうな〜、そういうノリが」
「天使?あぁ英智さんか、あの子も近ごろどんどん元気になってアクティブに活動してるみたいだぞお。負けてらんないなあ、レオさんも♪」
「おれとAたんが奏でる愛のアンサンブルには誰も勝てないに決まってるだろ。それよりもママ、今さらだけど雑談してて良いのか?周り集まってるお客さんが、途方に暮れた顔をしてるぞ?」
「ん?あ、こんにちは〜♪ ケイトくんもそうでしたけど、よくわかりますね皆さん…。わたしの変装を見破るなんて…」
Aは自分の服装を見下ろす。
レオにプレゼントされたノースリーブの白シャツにグレーのジャケットを肩に羽織り、プリンセスラインのスカートはミルクティー色でレオくんとお揃い。あと、今日の朝に鼻歌を歌いながらレオが着けてきた、左がピンクリボン、右がパールのイヤリング。最後に必需品であるピンクががったサングラスは、レオが海外にいたときにお土産として買ってきてくれたものだ。
不思議そうに首を傾げるAに、レオと斑は呆れと愛しさが滲んだ表情で突っ込んだ。
「いやいや、Aさんはカリスマらしい存在感と華やかさの塊だろう。着ぐるみでも来てない限り、たぶん気づかない方が無理だなあ。というか、変装が下手くそなのもある」
「えぇっ、ひどいっ…!」
「おれは着ぐるみでもわかる自信がある☆」
斑はレオの言葉に周囲を見渡した。ひい、ふう、みい──
「おおっと、意外と集まってたなあ……。中途半端で放りだすのは宜しくないし、区切りのいいところまで演奏するかあ……レオさんもAさんも、良かったら曲に合わせて歌ってほしい!無理強いはしないけどなあ!人間も楽器だ、増えれば増えるほど曲に厚みが出る!楽器が増えるごとに、より美しいアンサンブルになる!集まってくれたお客さんに満足してもらえるよう、ちからを貸してほしい…レオさんAさん♪」
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作者名:名無し18599号 | 作成日時:2024年3月12日 14時