第三話 ページ5
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「いやママ、なぜかチェロを弾いてるんだから抱きしめるのは無理があるだろ。何でこんな吹きっさらしで演奏してるの？大道芸？」
そう、斑はなぜかチェロを道端で演奏していた。レオが斑に気づいたのはその音色のおかげで、まわりにはけっこう人が集まっていた。
「いや、演奏してたらレオさんとAさんが釣れると思って。コンサートの予行練習にもなるしなぁっ、一石二鳥だろう？ちゃんと運営側には許可をとってるから安心してほしい！」
「ママ、そういう手続きとかは意外とちゃんとするよな……。大胆不敵に見えるのに、妙に細かいっていうか」
「常識は守っといたほうがいいぞお、たいした手間でもないしなあ。治安の良い日本ならまだしも、海外でタブーを犯せば即座に命の危機になるときもあるし。」
「あ〜。ママ、いまだに海外を飛び回ってる感じ？」
「いやあ、春ごろに帰国してからはだいぶこっちに根付いた活動をしているぞお。『MAM』なんて名乗ってな……Aさんには衣装や楽曲に振り付けを初め、仕事の融通なども利かせてもらっていている。色々世話になってるぞお、ありがとう！おれのプロデューサーさん！」
「ひゃあっ？こらっ、下ろしてくださいママくんっ！」
話を聞いているだけで満足しにこにこと楽しそうだったAを、斑はいきなり持ち上げた。
レオは自分も釣り上げられそうになって、渋々手を離していたけれど。
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作者名：名無し18599号 | 作成日時：2024年3月12日 14時
