エピローグ ページ12
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「………………」
「お待たせっ、レオさあああん! ママがいなくて寂しかったかあ?」
「あっママ、Aたんっ! あのさ〜、いつも言ってるけど何かするならまず説明してから動けよ。Aたんも、なんでおれを置いていったの?心細かったんだけど」
「ごめんなさい、レオ。」
「(う〜ん、やっぱり動物みたいなスキンシップをするなあレオさんは。触れ合って、ひとつの生き物みたいにくっついてる。)」
レオはAに一目散に駆け寄り、『ぎゅう』と抱きついた。
大好きなご主人様を待ちわびていた子猫のように、他を牽制する雄猫が匂いを擦り付けるように、べたべた擦り寄る。
Aは慣れたようだが、拒絶しようとして出来ないようだった。そんな素振りを見せると、切れ長の綺麗な瞳が『うるうる』してレオが甘えるから。
「ねぇレオ。客席にね、テンシくんとケイトくんがいるんです。それを踏まえて考えてください。」
「………」
Aはレオの背と頭に手を回して、優しく撫でる。それはレオの恋人のような甘いふれあいじゃなくて、親が子にするような慈愛に溢れていた。
「だぁいじょうぶ…♪ たとえそれでどこに向かうことになっても、あなたが望んでくれるのならわたしが一緒です。」
「A、たん……」
「行ってきますレオくんっ、あなたが飛び込みたくなるくらいに素敵な演奏を出来るように精一杯頑張りますっ!」
Aは名残惜しいと一切感じさせないようや感じで『さっ』と離れ、斑が浮かれたように前口上をするなか舞台へと飛び込んで行った。
レオはいきなりぽっかりと空いた空間に手がぶらり、と落ちて、唖然とする。
「(………………しゃあない、おれも行くかぁ。ステージ自体は、まだ怖いけど。Aたんがいるなら、おれは全然怖くない。逆にわくわくして、ドキドキして、堪らなくなる…☆ しかもママもいるし……ついでにテンシとケイトもいるし?1人でも求めてくれる人がいるなら、おれはステージに立とう。そこにAたんがいるなら、そこは天国だ。Aたんが隣にいるなら、おれもまだ──アイドルだから。)」
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作者名:名無し18599号 | 作成日時:2024年3月12日 14時