第九話 ページ11
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頭で考えていたフレーズが飛んだ。Aはふっ、と意識が浮かび上がって、驚きのあまり身を『びくり』と震わせた。
「え？え？わ、わたしの話ですか？あのう、悪口とかはできれば、わたしのいないところでして下さったら幸いです。」
「こら、悪口を言われたら俺に言うんだぞお。ママがそいつらを『めっ』ってしてやるからなあ！」
「そのママ本人に言われたんですけどどうすれば？」
漫才か。敬人は呆れてため息をついた。
「わぁ、ふふっ……懐かしいなぁ…。昔もこうやって、お茶や何やらを用意してもてなしてくれたよね、Aちゃん。」
「わっ、意外です。懐かしむくらいには、まだわたしに関心があるんですね？」
「もちろん。僕は君の大ファンなんだ。小さい頃からのね。」
にっこりと笑った英智に、Aは呆れたように眉を下げて微笑んだ。
「おべっかはいいですよ、テンシくん。今さらわたしに興味もないでしょうに。それよりも、言いたいことがあって会いに来たんです。」
「言いたいこと？」
Aは英智と敬人から視線を外して、視線をステージへと向けた。
「テンシくん、ケイトくん、お願いですから邪魔はしないでください。わたしなんかより、世界中の人々に愛されるべき天才を、舞台に戻したい。今は、その瀬戸際です。」
「……………」
「わたしね、月永レオっていうアイドルが、だぁい好きなんです…♪」
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作者名：名無し18599号 | 作成日時：2024年3月12日 14時
