いけない事しよ？〈SnowMan〉III

104（fukazawa） ページ6

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女「ねえ、話聞いてる？」



深「あぁ」


目の前にいる名前も知らない女。
甘ったるい。
香水の甘い匂いも、その長い髪も
俺を見つめるその視線も。


事務所を飛び出してから街を彷徨った。
偶然ファンだという女に声をかけられて
俺はその手を引いた。



もうどうなってもいい。



"Aちゃん、深澤君のために
事務所を辞めたんでしょ？"


事務所に居合わせた元振付師
Aはその人によく懐いていたし
女同士話せることもあったのだろう。



"私もね、最近知ったんだけど....
熱愛報道が出る予定だったらしいのよ"



俺は滝沢君がいる部屋へ走った。
問い詰めるように話し出した俺に
滝沢君は驚いた顔をした。


滝「お前....知らなかったのか？
Aからは、阿部が話してくれるって
聞いたけど....」



深「....え」




滝「Aはな...
お前の為に、お前が好きだったから
離れる事を決めたんだよ。
熱愛が出たら、ふっかは退所だって
俺が言ったんだ」



深「な...んで？」



滝「悪かったと思ってる。
でも、あの頃のSnowManには
それが1番の方法だったんだ。
SnowManを大きくする為には....
だからAはお前を守る為に...」



楽屋に戻って阿部ちゃんを殴った。
悔しくて、悔しくてたまらない。
俺が知っていたとしても、何かできたわけではないのに。



周りが止めに入ってようやく冷静になると
Aへの罪悪感で心がえぐれるように痛んだ。



次の日、楽屋に現れた俺に
阿部ちゃんをこう告げた。



"悪いけど、Aはもらうから"



Aがどんな気持ちでいたのか
周りに言っていたあの言葉の裏に隠された意味。
俺に関係を持ちかけたあの日なにを思っていたのか



気づかなかった自分への苛つきを
阿部ちゃんにぶつけた。



17歳のAに
俺はすべてを背負わせてしまっていたんだ。

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