いけない事しよ？〈SnowMan〉II

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あ.....やば.....
阿部ちゃんは驚いているのか
私を見つめたまま動かなくて、
自分が言った言葉を頭の中で繰り返す。



『....わっ！いや、あの、その....
ごめん変なこと聞いて...』



恥ずかしい。
いくら悩んでいるからと言って
阿部ちゃんにこんな事聞くなんて。



阿「ふはははは、」



急に笑い声が聞こえて顔を上げた。



阿「目黒とキスの約束でもしてるの？」



目を擦りながら、まだ笑っている阿部ちゃんの言葉に
顔が赤くなるのがわかる。
なんて言えばいいのかわからなくて俯くと
"図星か.."なんて声が聞こえてくる。


阿「俺はね、キスは1度だけ」



『...え？』



阿「聞きたいんでしょ？話してあげる。
でも、その前にAの話を聞かせて」



あぁ、なんでだろう。
阿部ちゃんには何でも話せる気がする。
それはきっと、昔から私の1番の相談相手だったから。



『...私ね、キスの経験が少ないのね』



口からはどんどん言葉が溢れてきて
経験豊富な蓮とのキスが不安な事。
そして、蓮の事を本気で好きか分からない事。


時々相槌を打ちながら
黙って話を聞いてくれる阿部ちゃんに
気づけばいろんな事を話していた。



阿「ふーん、じゃあAが目黒と付き合ったのは
好きな人を忘れる為って事？」



『うん、最初はね。
でも、蓮の事を好きになりたいって
本気で思ってるんだ』



辰哉の事を忘れたい。
蓮の事を同じだけ、好きになりたい。
そう思ってるのは事実なのに、
頭の片隅にいるのはいつも辰哉の姿。



ふとした時に、やっぱり無理なんじゃないかって
辰哉の事を愛しくて愛しくて仕方がなくなる。




『好きな人を忘れる方法ってあるのかな...』

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