お前を好きになることは絶対に無い。【赤羽業】 (ページ38)

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観覧車だからね。

流石に怖くないよ。

「怖くないの？」

「まあね。観覧車だから。」

「つまんね。」

「おい。」

観覧車に乗って、悠々と外を眺める私にカルマが言った。

高いところはあまり好きじゃないけど、流石にこれは怖くないな。

夏ということで、夕方でもあまり暗くない。

そのためか、景色は割りとはっきりと見えた。

「·····ねぇA。」

「なに？」

日に照らされる赤い髪が、妙に印象に残った。

「好きだよ。」

すごいと思う。

そのたった4文字だけで顔が赤くなるってなかなかすごいと思うんだよね。

「····聞き飽きたなぁ、それ。」

「はは、何回言っただろうね？」

「わかんない。」

「ねぇ、俺本気なんだからね。

遊びでも、ゲームでもない。ましてや嘘でもないから。

Aはどうなの？」

答えられないのがまた悔しい。

違う、とも言い切れない。

「無視は流石に傷つくんだけど。

なんか言ってよ。」

「はは、どうかな？」

笑ってごまかすと、カルマはさらに不満げな顔を見せた。

その顔が面白くて、必死に笑いを堪えながら、ため息を1つ溢した。

「····はぁ、返事、ねぇ。」

「もう、諦めてもいいんじゃないかな。」

「は？」

カルマの顔は明らかに曇った。

なにそれ、面白い。