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あげられる手、

迫る足。

身体中に巡る痛み。


「やめて!痛い、気持ち悪い····!」


腹部を蹴られ、頭を叩かれ。

咄嗟に、本能で頭を守り、うずくまった。


「何で!あなたはいつもいつも····」

「っあ、やめて····!痛っ····痛い!ねえちゃんとするから!

絶対にお母さんの···あ“っ····言うこと、聞くから!もう、反抗····しないから!

だから·····やめ····いだっ」


あ、そういえばスマホの電話切ったっけ。

切ってないな。これ聞こえてるかな。ヤバいな。

いやぁ、家庭の黒い事情まで聞かせてしまい申し訳ない。


「わかったの?

····ならさっさと寝なさい。」

「は、い。」


それが終わり、壁にもたれ掛かった。


「ふう····」


アイツ、わざわざ夏服だと見えるところに痣作りやがった。

何してくれてんだ、不審に思われるだろ。主に私が。

まぁ、あの先生学力向上以外に何も考えてないから別にいいけど。

····あ、スマホスマホ。

痛む体を動かし、ベッドの下からスマホを取った。


「あれ、切れてる。あらやだ私優秀〜!」


とっさに切ってたのか。私優秀。

あのときはこんなこと気にしてなかったけど、あまりにも女子力の無さすぎる声だった。

あれ聞かれてたらやばかったな。





それにしても疲れた。

痛いし怖かったし。


あー····もうやだ。

ベッドに寝転がり、うつ伏せになる。眠い。



そのときに、どこからか止めどなく涙が流れてきた。

····痕ついちゃうな。

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作者名:虹四葉 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/buodsao/  
作成日時:2021年8月7日 21時

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