15 ページ16
あげられる手、
迫る足。
身体中に巡る痛み。
「やめて!痛い、気持ち悪い····!」
腹部を蹴られ、頭を叩かれ。
咄嗟に、本能で頭を守り、うずくまった。
「何で!あなたはいつもいつも····」
「っあ、やめて····!痛っ····痛い!ねえちゃんとするから!
絶対にお母さんの···あ“っ····言うこと、聞くから!もう、反抗····しないから!
だから·····やめ····いだっ」
あ、そういえばスマホの電話切ったっけ。
切ってないな。これ聞こえてるかな。ヤバいな。
いやぁ、家庭の黒い事情まで聞かせてしまい申し訳ない。
「わかったの?
····ならさっさと寝なさい。」
「は、い。」
それが終わり、壁にもたれ掛かった。
「ふう····」
アイツ、わざわざ夏服だと見えるところに痣作りやがった。
何してくれてんだ、不審に思われるだろ。主に私が。
まぁ、あの先生学力向上以外に何も考えてないから別にいいけど。
····あ、スマホスマホ。
痛む体を動かし、ベッドの下からスマホを取った。
「あれ、切れてる。あらやだ私優秀〜!」
とっさに切ってたのか。私優秀。
あのときはこんなこと気にしてなかったけど、あまりにも女子力の無さすぎる声だった。
あれ聞かれてたらやばかったな。
それにしても疲れた。
痛いし怖かったし。
あー····もうやだ。
ベッドに寝転がり、うつ伏せになる。眠い。
そのときに、どこからか止めどなく涙が流れてきた。
····痕ついちゃうな。
98人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:虹四葉 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/buodsao/
作成日時:2021年8月7日 21時