壱：七不思議の花子ちゃん

：三十七怪異 ページ38

×××






光「まず一つ目！蕐園爾先輩は道場破りで105ヶ所の道場を廃業させた！！」



蕐「あー..道場破りのやつか」






自分で言うのもなんだけど



私は武術には昔っから長けてたからね。




光「剣道の道場を62ヶ所、柔道の道場を23ヶ所、空手の道場を20ヶ所、破ったんですよね！」



ね！ね！と目を輝かせて私を見てくる。



蕐「あー..まーね」



ストレス発散程度にやってたら..



そんな噂立てられてたのか。






花「もしかして夜な夜な俺になんも言わずに出かけたと思えばちょっと返り血浴びてかえってきてたのってもしかして..？」




蕐「んー、まー..そーだけど..」



えーすげーと花子くんから関心の声が。




光「じゃあ..二つ目！蕐園爾先輩は日本刀所持しているとか！」




蕐「とか、って..持ってるよ」




愛染国俊を取り出す。


キランと刃が光る。




光「ひっ！！あ、あの時の..！」



すぐさま首元を押さえる光。


あの時のって..あ、先日のアレか。



蕐「心配しなくても斬らないよ」



ほいっと刀を片付ける。



すると光はふぅ..と吐息を漏らした。




光「三つ目、中等部入学した次の日には三十人からラブレターとか婚約指輪とかプロポーズの言葉を貰っていた！」




蕐「あーまーそーだけど..」




私の学生ライフで一番嫌だった


出来事ランキングTOP10には


入るくらい面倒な事だった。




八「嘘！あれ校門の辺りめっちゃ賑わってたのAちゃんだったんだ..ていうか流石モテ女だ..」



花「あー俺隣で見てたけど全員断られてたなー」



あはは、ザマァ、と悪魔のような


黒い笑みを漏らす花子くん。






光「四つ目！！警察から感謝状を三回貰ったことがある！！」




蕐「あー..そんな事もあったなー..」




一回目と三回目はたまたま泥棒を捕まえた時。



二回目は学校に不審者が現れた時

真っ先に向かって拘束した時。



二回目の時は怒られたりもしたけどね。




光「五つ目！モデルやら女優やらタレントやら..数十回のスカウトを受けた事がある！」



蕐「あーそだね」



光「それ全部断ったって本当なんすか？」



蕐「うん」



女優が実は花子さんだったってバレたら..




日本中が荒れるだろうからね。




面倒事は事前に回避だよ。






×××

：三十八怪異→←：三十六怪異

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す