壱：七不思議の花子ちゃん

：三十五怪異 ページ36

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結果だけ言うと花子くんの勝ちだ。





言っちゃ悪いけど光はまだまだ未熟だ。




花「俺の勝ちー」



びしっと光にデコピンをしている花子くん。



その時の表情は悪戯をした後の子供の様だ。




花「花子ちゃーん！！あれ！ちょーだい！」



高い所にいる私に叫ぶ様にして言ってくる。



あれ？あー..あれか。




私は地上付近にまで降りていく。



蕐「あれって..これの事？」



御札を差し出した。




花「そーそーありがと！」



そして光の持っていた雷霆杖に札を貼った。



あれ？これ家宝とかって言って..




光「おわー！！うちの家宝に何してくれてんだテメー！！！」



顔が青ざめていく光。



蕐「っぷ..あははは」



私はその分かりやすい光の変化に


思わず吹き出した。




光「ウオオオ剥がれねええええ！」




蕐「ひーっひーっ..アハハ！！やっばいお腹痛い」



駄目だ。こんなに笑ったの何ヶ月ぶり。




光「剥がせ！！」



花「やーだよ」





ひーっ、ひーっ..と私が大笑いしていると


気づけば何故か光が倒れていた。




そして寧々もこちらに駆け寄ってきた。




八「大丈夫？」



花「こーでもしなきゃ諦めてくれなそうだったからね、丈夫そーだし少ししたら起きるよ」



私もすっかりツボに入ったのが終わって



通常運転に戻った。




八「この杖..今のうちに隠しちゃった方がいいんじゃ..また来るかも..」



寧々は焦った様子で


封印された杖を持っている。



もしかして..



花「もしかして」


蕐「私達のこと心配？」



やっぱり花子くんも思ったよね。



八「あっ当たり前じゃない！友達なんだから」




私は寧々のその言葉に


心が暖かくなるような冷たくなるような


痛むような..変な感じがした。





花「..そう、ヤシロは人殺しでも仲良く出来るんだ」


八「そ..」




途端に寧々のまつ毛が目に暗い影を落とす。




暗い顔の寧々だけど、対する花子くんは



ニコリと笑顔を浮かべている。




そんな二人の真反対の表情。




私はどんな反応をすれば


いいのか分からなかった。




花「なーんつって冗談冗談、第一Aは人殺しじゃないし..ね？A？」




表情を変えることなく


ニコリと私の方を見て笑む花子くん。




蕐「あ、あ..」




私はどうやって返事したら


良いのか分からなかった。



ただ苦い微笑を浮かべて


こくん、と頷くことしか出来なかった。





今日は大笑いしたり苦笑いしたり


感情がグチャグチャな日だった。





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