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僕は歌が好きだ。
僕から歌を取ってしまったら、後にはもうなにも残らない。
それに赤い目に白い髪なんていじめられるに決まってる
そんな僕にとって、この街は天国だ。
毎朝、毎昼、毎晩、歌を歌うという習慣があった。発声練習だとかなんとか。一人一人、違う歌を歌っているはずなのに、何故かひとつの曲になっていく。
世代によって、歌う歌が違う。たまに外へ歩いていくと、サラリーマンや学生達が楽しそうに歌っている。
僕は、それを見てギターを弾きながら口笛を吹いたりするのが一番の楽しみ。
いつものように、駅近くの広場でギターを弾いていると木の影から少女がこちらを覗いているのが見えた。
じっと観察していると、少女は倒れた。
いきなりの事に頭のなかが真っ白になってしまった。が、すぐさま隣にいた相棒の彼方さん基、そらるさんに救急車を呼ぶように頼み、少女の元へ駆け寄る。
近くで見ると少女は目を疑うような格好をしている
ボロボロの布の端切れを所々縫い付けたような貧相な服にボサボサの黒髪、痩せ細った体。
今時こんな姿の人間は見掛けない。
いったいどこから来たのだろうか。
そんな事を考えていると救急隊員の方が走って来ていた。
その後、救急隊員に色々と質問されたが、何せお互いに名前も歳も知らない赤の他人なもので、何一つとして質問には答えられなかった。
そんなとき、助けてくれたのはそらるさんだった。
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作者名:星都 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月17日 22時