第一章 落ちた先にあったもの ページ2
砂ぼこりが舞う中、そこに住んでいる民はなにも言わず、壊れかけている家の中で座っていたり寝そべっていたりしていた。
その中を1人歩く少女がいた。
背は低く、着ている布のはし切れを縫ったような服から覗く手足は痩せ干そっていた。
ボサボサの髪の毛は真っ黒く、褐色の肌には不釣り合いだ
少女が向かっていたのは、近くにある井戸だった
今の時代、井戸なんて不要だが電化製品が溢れている東京とは違い水道なんてものはない田舎には井戸は命だ
少女は井戸に着くとふいにその深い穴を覗きこんだ
すると何者かに背中を押され、まっ逆さまに穴に落ちていった
しかし、いつまでたっても痛みや落ちたような音はしなかった
目を覚ますと何処かの森にいた
少女は首をかしげた
さっきまで家の近くの井戸にいたのにいきなり見知らぬ森に寝ていた、ということは普通に有り得ない話だ。
取り敢えず、帰る道を探さなければ行けない。
家には家族がいる
家族を放っておくと明日には皆餓死してしまう
ただでさえ餓死寸前なのに
少女はスッと立つと獣道を歩いていった
少し歩くと人々の明るい声が聞こえてきた
人と話すのは苦手だ
でも、家族を亡くすのは嫌だ
仕方ない。そう思い山を降りて、道沿いにある木に隠れた
チラッと街を見ると人々が楽しそうに歌いながら家事をしたり、仕事をしたりしていた
急に吐き気がした。
少女は咄嗟に耳を塞いだ
それでも尚聞こえてくる歌声は少女の全身の力を奪っていき、遂に少女は倒れてしまった
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作者名:星都 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月17日 22時