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「ゼロはぜっっっったいに駄目だ!」
「君は誰でも駄目なんじゃないのか?」
隣で煽り合っている2人を適当に流しつつ私は焼き鳥を頬張った。美味すぎる。お酒に合うんだなぁこれが。
「まさかゼロがタイプだなんてね」
「確かにな。陣平ちゃんみたいなのが好きかと思ってた」
確かにお兄ちゃんは大好きだけども。
恋愛感情じゃないよ。
『零くん真面目だし浮気とか知らなそう』
「「確かに」」
「嬢ちゃんを大事にしてくれりゃあそれでいいだろ?」
……伊達さんの笑顔がこんなにも眩しい。お父さんっていうより、お兄ちゃんみたい。
ちびちびお酒を飲みながら他の思い出話に花を咲かせる。
え?教官の車飛ばせて暴走してる車止めた?なにそれめっちゃ見たかったんだけど。
そうだ、私も改造した自転車あるからそれ乗ってドライブデートしようよ。少しくらいなら飛ぶからさ。
宴会というものはどうにも時間が過ぎるのが早すぎる。
もっと話していたかったけど、皆それぞれ仕事があるというのだから仕方がない。
零くんたちと別れた後、お兄ちゃんと研二くんとお話しながら歩く。そんな中で2人の背中を見て不意に泣きたくなった。
爆弾処理という仕事。
それはいつ死んでもおかしくないものだ。そこに2人が行くというのだから心配になるとは当然といえば当然。
「A?」と優しく声を掛けてくれるお兄ちゃんと不思議そうにこちらを見つめる研二くん。
私は2人の腕に自身の腕を絡めた。
「どしたのAちゃん?」
『…置いてかないでね』
「なーに言ってんだ、置いてくわけねぇだろ」
やっぱり泣きたい気持ちは治まらなくて、腕にぎゅう、と力を入れた。
そんな私を見てか、研二くんが煙草とライターを私に渡した。
『?』
「これ持っててよ。俺今度Aちゃんに会うまで禁煙する」
「あぁ?ハギには無理だろ」
「やってやるさ。」
ニッと笑った研二くん。
…なにか察してくれたのかな、
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あすか@暇人(プロフ) - 初コメ失礼します。続編突入おめでとうございます!続編のリンクをこちらと繋げていただけると嬉しいです…。 (2022年6月3日 20時) (レス) id: a2dc34f4dc (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - milkさん» じんぺーちゃん妹バカなんです笑 (2022年5月24日 7時) (レス) id: e8da3e8314 (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - ヤバい、最後の松田さんのところ最高に面白い (2022年5月23日 21時) (レス) @page28 id: 7df2c50704 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます!頑張ります! (2022年5月23日 12時) (レス) id: e8da3e8314 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2022年5月22日 23時) (レス) @page27 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かしわ | 作成日時:2022年5月20日 19時