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降谷side
「Aさん寝ちゃったね…」
「あぁ、こんなに酔うのは珍しいな」
酒瓶を抱き締めつつテーブルに突っ伏しているAを見てため息をついた。
まったく、こんな無防備で…。
警戒心の欠けらも無い同期の妹の行く末が心配だ。
コナンくんは帰れなくなったとかで急遽Aのうちに泊まることになった。決めたのは僕だが。
「…にしてもさ、Aさんのこの服…」
コナンくんが言っているのは先日僕が挙げたアリスモチーフのワンピース。
Aの性格上エプロンスカートはもう付けないだろうと思っていたから縫い付けておいた。
「安室さんの趣味でしょ」
「なんのことかな?」
アイスコーヒーを飲みながらジト目で見てくるコナンくんの視線を躱してAにブランケットをかけた。
趣味って程でもないが、似合うと思ったから、それだけで購入した。恥は捨てた。
Aには何かと世話になっているし、僕自身の精神安定剤みたいなものだ。…まあ、これを言ったら呆れられるんだろうから言わないけど。
それから小一時間経った頃。
「…全然起きないな」
「もしかして完全に寝てる…?だったら、布団で寝ないと体が痛くなっちゃうよね」
「そろそろ起こすかな」
コナンくんが「Aさーん」と体を揺らしているけど一向に起きる気配がない。
僕は使った食器を洗いながらその様子を見ていた。
…起きなかったら運ぶか。
「あ!安室さん!Aさんおきたよ!」
「本当かい?…A、寝るなら布団で」
どうやら杞憂だったようだ。
むくりと起き上がったAはボーッと周りを見渡した。
これは、寝ぼけているな…
『うぅっ…』
「「?!」」
と思っていた矢先の出来事だった。僕と目が合ったAがいきなり泣き出したのは。
……なんで目が合っただけで泣くんだ?何かしてしまっただろうか??
子供のように声を上げて泣くのを見て困惑した。…こういう時どうすればいいんだ…。
「A、急にどうし_____」
『うわああん!』ドスッ
「A……??」
泣きながら突進してきたのに驚いて尻もちを着いた。
……本当にどうしたんだ??
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あすか@暇人(プロフ) - 初コメ失礼します。続編突入おめでとうございます!続編のリンクをこちらと繋げていただけると嬉しいです…。 (2022年6月3日 20時) (レス) id: a2dc34f4dc (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - milkさん» じんぺーちゃん妹バカなんです笑 (2022年5月24日 7時) (レス) id: e8da3e8314 (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - ヤバい、最後の松田さんのところ最高に面白い (2022年5月23日 21時) (レス) @page28 id: 7df2c50704 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます!頑張ります! (2022年5月23日 12時) (レス) id: e8da3e8314 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2022年5月22日 23時) (レス) @page27 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かしわ | 作成日時:2022年5月20日 19時