ファーストキス ページ26
とある日の午後9時。
私は車で零くんの家に向かっていた。
なんでも、最近飼い始めた犬に餌をあげて欲しいとかなんとか。
まさかあの零くんが犬を飼うなんてねぇ…。珍しいことをあるもんだ。
忙しくて帰れない日はこうして私が世話をしに行っている。
渡されていた合鍵で零くん家のドアを開けた。
「キャンっ」
『ハロ〜！いい子にしてた？』
出迎えてくれたハロをもふもふ堪能してからご飯やらお水やらを取り替えた。
勢いよく食べる様子を見て罪悪感が湧き出てきた。
ごめんねぇ遅くなって。零くんからの連絡も遅かったからこんな時間になっちゃったから…。
ガチャ
ん？
『零くん？！』
「きゃんきゃんっ」
「ただいま……」
玄関先に行くとぐったりとした零くんの姿。
あれ、今日帰れないんじゃなかったの？
ハロを抱えつつ零くんの鞄を受け取った。
『ご飯食べた？』
「まだ…」
『んじゃあ冷蔵庫の中の使って何か作るよ？』
「頼む」
｢俺は風呂に逝ってくる…｣とふらふら浴室に行くのを見送った。漢字間違ってない？？？
大変なんだろうなぁ〜。
私は冷蔵庫の中を覗いた。うーん、あんまりないな…。最近帰ってきてないんだろうな。
ある食材だけで出来る簡単な品をいくつか作った。
「ふぅ、さっぱりした…」
『軽くだけどご飯出来てるよー』
「ありがとう」
そうしてご飯を食べ始めた。
って、あーあ。髪の毛まだ濡れてるじゃん。
私は浴室からタオルを持ってきて綺麗な金髪を撫でた。
「ん？」
『まだ髪の毛濡れてるよ、ちゃんと乾かさないと』
「面倒くさいんだ」
『だから私がやってるでしょ』
ご飯が食べ終わってからドライヤーで乾かしてあげた。
『綺麗な髪なんだから大事にしないと！』
「…だが皆とは違う」
『私が好きだからいいの』
ヒロくんから聞いたことがあった。
零くんは昔、皆と違う髪と肌の色がコンプレックスだったらしい。今はそうでも無いみたいだけど…｡
「そう言ってくれるのはAとヒロだけだよ」
『十分じゃん。』
足の間に座っていた零くんが上を向いて目が合った。
顔を手で包んで額同士をコツンと合わせた。
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あすか@暇人(プロフ) - 初コメ失礼します。続編突入おめでとうございます！続編のリンクをこちらと繋げていただけると嬉しいです…。 (2022年6月3日 20時) (
レス) id: a2dc34f4dc (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - milkさん» じんぺーちゃん妹バカなんです笑 (2022年5月24日 7時) (レス) id: e8da3e8314 (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - ヤバい、最後の松田さんのところ最高に面白い (2022年5月23日 21時) (レス) @page28 id: 7df2c50704 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年5月23日 12時) (レス) id: e8da3e8314 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2022年5月22日 23時) (レス) @page27 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かしわ | 作成日時：2022年5月20日 19時
