拝啓 お兄ちゃん様【名探偵コナン】

❀ ページ21

えー、第一印象。


ここは地獄か？？？？？


なに、ここの空間。ワタシワカラナイ。



まさにブラック企業を極めている公安はどこかしこでちょいちょい悲鳴が上がった。

そちらを見ると人が倒れている。周りの反応的には寝てるだけらしい。え、それでいいの？


そんな中でも目立つのがミルクティー色の髪と健康的な褐色の肌。


ジャケットを脱ぎ捨てて、ワイシャツに黒ネクタイ。
あと酷い隈。

人間卒業してない？


風見さんの方をもう一度見ればGOサインが出る。




『……零くん』




ちょっと渋ってからそう声をかければパッと目が合う。


｢遅い｣と一蹴された。酷い、これでも急いできたのに。

公安という機密組織の中にいる私は一般人だから、周りの人は私のことをちらちら見た。
そりゃそうだよね知らない人だもんね。


すわっている零くんに近づけば腰を強く引き寄せられた。え、え、なになに。

私のお腹辺りに顔を埋めて数十秒。部下の皆さん含め頭にはてながいっぱいだった。




「……よし」




それからすぐに離れてまた仕事に取り掛かろうとする。

風見さんが手で大きな罰を作っている。寝かせるのが目的なのに切り替えさせちゃったよ、どうしよう。




『零くん』

「急に呼び出して悪かったな」

『それはいいよ。それより、』

「もう帰ってくれて構わないぞ」




私の話を一切聞かない様子にムッとした。


絶対寝かせてやるわ。



｢ゼロ｣と強めの口調で呼べばびくりと肩を震わせてこちらを見た。ほら、何回も言うけど隈がすごい。


ほうけている零くんの顎を掴んで寝るように催促する。




「僕にはまだやることが…」

『零くん知ってる？この世には過労死って言葉があるんだよね。』




遠回しにこれ以上働いたら死ぬぞと脅した。

だが、と口答えをする零くん。


あ''ーもう！

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