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「ポアロの常連なら先に言ってくれ…」
『こっちのセリフすぎる。バイトしてるんだったら言ってよ』
それから数日後、私と零くんは自宅でお酒を飲んでいた。今までの話を聞いているとそこそこ大変だったみたい。先日より濃くなっている隈がそれを物語っていた。
あと、ヒロくんもやっぱり向こうにいってたみたい。
｢辛い時にそばにいてやれなくてすまなかった｣と謝られたけど、そんなの私だってそうだよ。親友が亡くなってどれほど辛いかなんて私には計り知れない。
『ポアロでバイトしてるのもなんか理由があるんでしょ？』
「まあな」
『……じゃあまた遊びに行くね、透くんに会いに。』
研二くんなら爆笑だろうな、あれ。
近況報告をしていると買ってきたお酒が全てなくなってしまっていた。
私も零くんも強い方だから、ジュース感覚で飲むとすぐになくなってしまう。
『まだ飲みたいし私買ってくるよ』
「僕も行く」
『じゃー一緒にいこ！』
近くのコンビニまで2人で歩いて、飲みたいお酒を買う。零くんが買ってくれるって言うから私は先に外に出て涼んでいた。
空を見上げていれば目の前が眩しくなった。え、なに。
あぁ、なんだ。暴走したトラックか。…このままだと、ぶつかるかな。
そうしたら、私も_____
「Aっ！！！！」
背中にひんやりとした感触と、目の前に珍しく焦ってる零くんの顔。
「っ気をつけろ！！馬鹿！！！」
『ごめん…』
遠くに転がっているお酒を見るに、投げ出してまで助けてくれたんだろう。
「……A、お前が死んでしまいたい気持ちも分かる。だけどAまで死んでしまったら、僕は、僕は本当に独りになってしまう」
泣きそうな声で、潤んだ瞳で零くんが語る。体を起こされてから怪我の確認をされた。そうしてぎゅっと抱きしめられる。
その時気づいた。
私、死にたかったんだ。
じんぺーちゃんがいなくなったあの日から、ずっと。
なんにもないこのモノクロの世界で、生きていたくなかった。
『生きる理由が、ないの』
「っ、それなら、」
.
''僕のために生きてくれ''
.
じんぺーちゃんが死んで3年。
ようやく世界が色付いた気がした。
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あすか@暇人(プロフ) - 初コメ失礼します。続編突入おめでとうございます！続編のリンクをこちらと繋げていただけると嬉しいです…。 (2022年6月3日 20時) (
レス) id: a2dc34f4dc (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - milkさん» じんぺーちゃん妹バカなんです笑 (2022年5月24日 7時) (レス) id: e8da3e8314 (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - ヤバい、最後の松田さんのところ最高に面白い (2022年5月23日 21時) (レス) @page28 id: 7df2c50704 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年5月23日 12時) (レス) id: e8da3e8314 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2022年5月22日 23時) (レス) @page27 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かしわ | 作成日時：2022年5月20日 19時
