拝啓 お兄ちゃん様【名探偵コナン】

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お兄ちゃんを見送ってから私も出かける準備をした。友人と噂の観覧車に乗ろうと約束していたからだ。

ピコン

と思ったらドタキャンされた。は？急患が入った？しょうがないけど私一人じゃねぇかコノヤロウ。


えぇー…一人で行く？ってからそれめっちゃ寂しいやつじゃん。もういいわ、行ってやるぜ。



友人が居ないことに落ち込みつつもそのショッピングモールに向かう。観覧車に近づくほどなんだか刑事さんが沢山いた。なんかあったんか？



プルルル プルルル



『はいもしもし？』

「Aか？」

『そーだよ。どうしたの、急に』

「……お前に置いていくなって言っといて、悪ぃんだけどよ」



うん？
何故か口ごもっているお兄ちゃんを待っていると近くの刑事さんたちの話が聞こえた。



「爆弾のついた観覧車に刑事が乗ってるだと？！」

「あぁ、しかも爆発の3秒前に次の爆破場所を表示だそうだ。……くそっ」



全身の血が引く気がした。

まって、もしかして、そのゴンドラに乗ってる乗って、



『お兄ちゃんなの…？』

「？なんだ？」



｢皆さんはやく避難してください！｣｢あと1分で爆発します！｣観覧車の下でそう叫ぶ刑事さんがいる。


いや、いやだ。死なないで、お兄ちゃん。



「あー、まぁその、愛してるぜ」

『おにいっ…！！』

「おっと、もう充電が切れそうだ。じゃあな」



ピッと音を立てて通話が終了した。
冷や汗が止まらなくなって観覧車に近づくと刑事さんに取り押さえられる。



「君！危ないからもう離れなさい！」

『嫌だ離して！まだ中に、中にいるんでしょ？！』



お兄ちゃんｯｯ。


そう思ったのもつかの間。ドォンと音を立ててゴンドラが爆発した。その瓦礫が下に落ちてくるのが見える。


足に力が入らなくなった私はしゃがみこんで、先程までお兄ちゃんと電話をしていた携帯を握りしめた。






『逝かないで、』






私を独りにしないで、

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