第34話 ページ34
『言ってくれればずっとぎゅってしてるのに』
そう言ってAは壊理に手を広げる。壊理はそれを目を輝かせて、飛び込んだ。
ずっと変わらぬ温もりが、本当に本当に大好きなのだ。
『出久もかっちゃんもぎゅってしてくれるよ』
「？」
『壊理は私にそっくりだからね。お願いしてご覧』
壊理はAの言っている意味が少し分からなかったけど、他の2人は分かったようだ。図星で、なんとも言えない表情をしている。
壊理はまず緑谷の元に行って、小さい両手をパッと広げた。緑谷は笑って、壊理をぎゅっと抱き締める。
「こ、こんにちは、デクさんっ」
「うん。こんにちは、壊理ちゃん」
Aに負けないくらい温かな手に、壊理は顔を綻ばせる。それに気が付いた緑谷は、壊理が本当に可愛らしくて、Aに似ていて、少し頬を染めた。
壊理は緑谷から離れると、今度は爆豪の所に向かう。
爆豪も真逆自分のところに来るとは思って居なかったものだから、壊理に手を広げられて困る。
普段は敵顔なのは割と自覚しているから、余計に。
緑谷やAに声をかけられて、少し気まずそうに壊理の背中に手を回す。
壊理は二パーッと笑顔になった。今日一の笑顔だ。
「か、かつきさん、こんにちはっ」
「……おー」
これには爆豪もその可愛さに打ちのめされる。だってこんなの、可愛いと認めざるを得ない。
もういいだろうと思って、爆豪が体を離すと壊理は小さく声を漏らして、泣きそうになった。
「？！」
自分のせいでそんな顔をしていると焦って、また壊理を抱き締める。壊理は満足そうに笑った。なんだ、嘘泣きか？
『壊理はかっちゃんが好きなのねぇ』
「皆あったかいけど、かつきさんが1番なの！」
爆豪の腕の中でふふ、と笑う。もう、なんだ、この可愛さは。
爆豪ももうどうしたらいいのか分からなくて、取り敢えず壊理を膝の上に乗せた。離れなければいいんだろう、そうだろう。……な？
『壊理、ぎゅってするのは2人だけね』
「？はい！」
元々幼馴染の中でだけ行われていたから、それを教えて他の人を困らせてしまってはいけない。
Aの言いつけに壊理は元気よく返事をした。
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かしわ(プロフ) - 名無し84302号さん» 拝読ありがとうございます。何回も読んでくださってるなんて嬉しいです😭書きたい話も沢山ありますので、まだまだ頑張りまあああああああああすっ！！！！！(狂) (2023年1月13日 0時) (
レス) @page49 id: 3fcb1b6071 (このIDを非表示/違反報告)
名無し84302号(プロフ) - 素敵な小説を作って下さりありがとうございます！もう、好み過ぎて何回も読ませて頂いております！体調に気をつけて更新頑張って下さい( ´ ▽ ` ) (2023年1月11日 22時) (レス) @page48 id: 81c0b10d37 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - 虹彩さん» ｩ"ﾜｧｧ!!!気づいて下さった方がいた！嬉しいです！あ、拝読ありがとうございます。ここねぇ、とってもお気に入りなんです。3人の愛が見えますよね。 (2023年1月8日 15時) (レス) @page44 id: 3fcb1b6071 (このIDを非表示/違反報告)
虹彩(プロフ) - 最後の「いなくならないでね」「〇〇ちゃんこそ」の部分がヒロアカのED「sketch」の歌詞になぞらえているのかなぁと感じてすごく胸に響きました。これからも投稿お待ちしています。 この作品のいちファンより (2023年1月8日 1時) (レス) @page44 id: 7d88959bdf (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - かしわさん» 何それめちゃくちゃ好みです！！！！ (2023年1月3日 21時) (レス) id: a3f5eb2b55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かしわ | 作成日時：2022年12月4日 19時
