第21話 ページ21
それから数日。Aは目の下にくっきりとした隈を作っていた。
理由は簡単。単純に環境が変わって寝られないのである。
病院でも気絶して無理やり眠っていたようなものだし、というか、それが眠っていると言えるのかは分からないが。
幼馴染たちは寮生活に慣れるまで、という理由であまり会うことは無かった。
だが、流石にこの状況は不味いだろう。
元々白かった肌が、最近余計に白く見える。赤い瞳もハイライトが消えかかっているような気がしてならなかった。
「ちょっと、どうすんのよ」
「今考えてますよ」
ミッドナイトにつつかれて、相澤は眉間に皺を寄せる。対人恐怖症の為に、少しでも慣れてもらうために教師陣との接触を増やしたが、それがいけなかったのだろうか。
ソファに座って呆けているAを見ると、どうにかしないといけないという使命感に駆られる。
……だが、相澤もまだ心を開かれた訳では無い。
「(あいつらに頼むしかない、か…)」
それが最善なのだろうが、どうにも釈然としない。いつまでもあの2人に頼ってばかりで良いのか。大人だけでどうにかする問題では無いのかと色んな考えが脳を駆け巡るが、もう、どうしようもなかった。
ーーーーー
その日の放課後。
爆豪と緑谷は相澤が助けを求めていたため教師用の寮を訪れていた。
ミッドナイトがAを連れてくると言ってから5分程。エレベーターから降りてきたAの顔の酷さたるや。
元々繊細な子であったのに、今回の事件で更に磨きがかかってしまった。
「Aちゃんっ」
『？…いずく、かっちゃん』
大慌てで駆け寄って、爆豪がその白い肌を撫でる。その際に脈を計って、顔色を見て、としているとふいにAがカクンッと糸が切れたように崩れ落ちた。
「っ？！、っ！」
「ひ、あ、っぶなぃ…かっちゃんナイスチャッチすぎる…」
声が出ないくらい驚いた爆豪は、脊髄反射でAを抱える。緑谷も咄嗟に手を出していたが、触れていた爆豪の方が早かったようだ。
びっくりした。なんで急に、そんなに具合悪いんか？？息止まるかと思ったわ
ドッドッドッと鳴り止まない心臓を押さえつけるようにAを強く抱きしめる。
近くにいたミッドナイトも反射で手を出してしまったが、それは杞憂だったようだ。
「(……青いわねぇ…そういうの大好き)」
行き場の無くなった手を見ながら少しばかり微笑んだ。
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かしわ(プロフ) - 名無し84302号さん» 拝読ありがとうございます。何回も読んでくださってるなんて嬉しいです😭書きたい話も沢山ありますので、まだまだ頑張りまあああああああああすっ！！！！！(狂) (2023年1月13日 0時) (
レス) @page49 id: 3fcb1b6071 (このIDを非表示/違反報告)
名無し84302号(プロフ) - 素敵な小説を作って下さりありがとうございます！もう、好み過ぎて何回も読ませて頂いております！体調に気をつけて更新頑張って下さい( ´ ▽ ` ) (2023年1月11日 22時) (レス) @page48 id: 81c0b10d37 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - 虹彩さん» ｩ"ﾜｧｧ!!!気づいて下さった方がいた！嬉しいです！あ、拝読ありがとうございます。ここねぇ、とってもお気に入りなんです。3人の愛が見えますよね。 (2023年1月8日 15時) (レス) @page44 id: 3fcb1b6071 (このIDを非表示/違反報告)
虹彩(プロフ) - 最後の「いなくならないでね」「〇〇ちゃんこそ」の部分がヒロアカのED「sketch」の歌詞になぞらえているのかなぁと感じてすごく胸に響きました。これからも投稿お待ちしています。 この作品のいちファンより (2023年1月8日 1時) (レス) @page44 id: 7d88959bdf (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - かしわさん» 何それめちゃくちゃ好みです！！！！ (2023年1月3日 21時) (レス) id: a3f5eb2b55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かしわ | 作成日時：2022年12月4日 19時
