EPISODE7 ページ8
おぉー
床にゴミが全く落ちてない。
普段の何倍も綺麗だ
机も縦、横しっかりと並んでいる。
他の奴はなんとも思わないだろうが、これを半分終わっているとはいえ一人でやったと考えると少し感動してしまう。
席につき、隣の佐野さんに声をかける。
「佐野さん、掃除ありがと
すごい綺麗でびっくりした」
礼を言われると思っていなかったのか少し驚いたのか、そっぽを向いて別にと小さな声で返された。
やっぱり、いい子かも。
俺は佐野さんの反応に一人静かに微笑む。
その後は、無事二人で仕事をこなした。
朝とは違い気分もいい。
佐野さんとも、結構喋れたかな
*
放課後。
部活には遅れると伝え、約束の日誌を書こうと準備していると佐野さんが机をくっつけて隣に座る。
えっなんで!?
「先生に聞いたらもう仕事無いらしいし日誌手伝うよ。」
「えっ別にいいよ。
約束でしょ?」
「いいじゃん。さっさと終わらそ」
半ば強引だか、一緒に日誌を書く。
「ねぇ佐野さんてっ最初怖い子かと思ったけど結構いい子だよね」
「急に何いってんの?」
「ねぇ、佐野さんの事Aちゃんてっ呼んでもいい?」
「はっ?」
「いや、佐野さんって堅くない?
こんな事言ったら、キモいけど俺佐野さんともっと仲良くなりたいし。俺も呼び捨てでいいよ」
少し沈黙が続いて
「好きにすれば。」
一見そっけないが、表情を見れば照れているのが分かる。
「ありがと、Aちゃん。」
ニッコリと笑ってそう返すと、Aちゃんの顔が、一気に紅く染まった。
「いいから、早く書きなよ。部活、あるんでしょ」
意外。
結構、可愛いとこあるじゃん
*
日誌を出しに行くのは角名に任せて先に帰る。
その間、あの時の角名の表情が忘れられなかった。
〈ありがと、Aちゃん〉
無表情とか思ってたけど、あんな顔もできんのかよ
意識したのか、してないのか知らないが
随分と意地悪そうな、面白そうな顔をしてた。
あの顔で、名前なんか呼ばれたらほぼ恋愛経験なんてない自分からすれば照れないわけがない。
絶対
顔赤くなってた。
明日からどうしよ…
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作者名:鶏 | 作成日時:2021年5月20日 20時