2BRO短編・中編小説3！

あめ ページ18

兄「傘持って来いってメールしたよな･･･？」


『･･･てへへ』

兄「どつくぞ。待ってろ」


確かにメールは貰った、でもその時私の頭の中を占めていたのは久しぶりに会える兄者のことで
だから兄者のせいだ、それに出てくる時は雨降ってなかったし！

なんて心の中で言い訳をする


兄「ほら、拭けよ」

バサリと頭に被せられたタオルは、兄者の家の柔軟剤の匂いで、包まれた安心感と匂いを堪能してると


兄「さっさと拭け、風邪ひくだろうが」


ガシガシと雑に拭かれる


『ああああ！！！私髪巻いてきたのに･･･！』

兄「うるせぇなぁ、風邪ひいたらまた会えなくなんだろ」

少しガックリするけど、会えなくなるのは嫌だと素直に受け入れる

兄「つか自分で拭けよ」

『いーじゃんたまには！』

兄「いつもやってやってんだろ」

『へへ、だって好きだもん兄者にこうされるの』


わざと傘もってこなかったなんて思われても仕方なの無いことを言うと、ピタリと手が止まった

その代わりに、タオルとは少し違う温もりに包まれる
兄者の腕の中で顔をみようともぞもぞと動く

玄関の段差でいつもよりも遠く離れた顔はよく見えなくて

少し離れようとすると

兄「見んな、離れんな」


珍しくデレた兄者 そんな姿が可愛くて背中に腕を回す

少ししてから満足したのか離れて

タオルを取って床に投げる


兄「うっわ、ボサボサ」

『うるさいなぁ･･･』

手ぐしで撫でるように梳かす
擽ったくて目を閉じると、その手は首に回った


気になって目を開けると

兄「なんで開けんだよ」

『え？』




兄「はやく目閉じて」







END

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