ノック(零side) ページ3
[シルビア・リトルの死亡書]
こうタイトルに書いてあると嫌という程現実を見せられている感じがして仕事が進まない。
だが公安の上司として読まなくては行けない。
[死亡原因:心臓に直接ゼロ距離からの発砲。後々爆破現場からは焼かれた遺体が見つかりDNA鑑定は難しいものの彼女だと発覚。MI8からの直接依頼で火葬済み。]
彼女宛に最高の昇格を与えられてイギリスでは知られていないものの英雄と見なされた。
嫌という程思い出させられたあの発砲方。
柄にも無くヒロと重ねてしまった。
黒の組織が動く前に彼女から言われた。
「焦りは禁物」だと
松田たちを思い出した。
死んでいく姿を俺は止められなかった。
あいつは笑ってた。
まるで彼女は死ぬことが怖くないかのように、見せつけてくるように。
「お前にはできないだろう」と言われてる感じがした。
それと同時に安心している俺がいた。
胸糞悪い。
全部あいつは知ってた。
全部あいつは持って行った。
全部
全部あいつが背負って行った。
俺は
何も
何も
<トントン
『っ、誰だ。』
風見「風見です、零さん。書類お持ちしました。」
『入れ。』
風見「失礼します。最終チェックお願いします。」
『あぁ、渡してくれ。』
風見「…シルビアさんは…やはりもう…」
『…あぁ。』
風見「…実はシルビアさんに言われたことがあったんです。」
『?』
風見「“私が敵ではない”と。この仕事に誇りがあるんだったら身だって捧げられるだろうって。」
『…あぁ、そうだな。』
風見「でも。矛盾してることも言ってきたんです。」
『矛盾?』
風見「“人間だからいざって言う時に捧げられないかもしれない。それは人間だからしょうがない事。だったら捧げた人たちの代わりに繋げて行けば良い。次があるように。誇りがあるならそういう捧げ方もあるだろう”って。」
『…』
風見「やっぱり俺達の今の仕事は繋げる事ですよね。」
『…っふ、そうだな。ここに不正があるぞ。返して来い。』
風見「はい。了解しました。」
<バタン
あいつは嘲笑っていたんじゃない。
俺に再確認していたんだ。
俺たちに続きを託してくれたんだ。
『っふ、相変わらず当回しな言い方しやがって。』
本当に。
ありがとう
無愛想な奴だな。
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Key(プロフ) - 楓@悠生さん» こちらこそここまで読んでくださってありがとうございます!体調の心配もしてくださりありがとうございます。より良い作品書けるように頑張ります。 (2019年4月14日 19時) (レス) id: 5a701d4bb8 (このIDを非表示/違反報告)
楓@悠生(プロフ) - 続編を作ってくれてありがとうこざいます!体調に気をつけながら、更新頑張ってください! (2019年4月14日 17時) (レス) id: 604f18d061 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Key | 作成日時:2019年4月11日 7時