102音 ページ6
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『落ち着いた…かな?』
あれから少し経って
規則正しく寝息を立てる拓弥先輩。
なんか…小動物みたい。
寝顔が綺麗で髪の毛をサラッと触る。
サラサラな髪の毛、長いまつげ。
本当に女の人みたいなくらい綺麗な顔…。
『…よし、ちょっと頑張ろっかな!!』
雰囲気的にまだご飯を食べてないみたいで
お粥を作る事にした。
料理はできる方だと思う。
食べてくれるかは別だけど……。
『…よし、できたかな』
チラッと拓弥先輩を見たけれど
まだ寝てるみたいで勝手に帰るのも
心配だから起きるまで待つ事にした。
待ってる間、凄く暇だ…仕方がない。
やることもないし課題でもするか……。
数分経つ。全然起きない拓弥先輩。
携帯を見ると16時頃になっていた。
学校がそろそろ終わる時間…。
お兄ちゃんに連絡しとこう。
2日連続……また怒られそう…。
{ A : お兄ちゃん!ごめん!
今日帰るの遅くなりそう!}
すぐに連絡が帰ってくる。
{ 稜雅 : なんで?どこいるの? }
{ A : 拓弥先輩の家! すぐ帰るから! }
既読は付くのに返事が返ってこない。
何かあったのかな…。
そう思ってると返事が返ってきた。
{ 稜雅 : 拓弥? なんで? あいつ熱だろ? }
なんだ、知ってたのか…ってそりゃ知ってるか。
同じクラスなんだし連絡くらいしてるか!
いやでも知ってるなら
なんで私に言ってくれなかったんだろ…。
{ A : お見舞いだよ!大丈夫だから! }
また途絶える。
いつもならすぐ連絡返ってくるのに
ゲームでもしてるのかな…。
……絶対そうだ。我ながら良い推理。
{ 稜雅 : 帰ってくるとき絶対言って! }
{ A : わかった }
少し間があったけど…なんとか許可は得た。
お兄ちゃん、どうも最近
拓弥先輩の事になるとうるさい。
「何かされたか」とか
拓弥先輩がするわけないのに。
拓弥先輩に近付く。
『拓弥先輩…?』
「…………」
規則正しく寝息を立てる拓弥先輩。
うん。さっきよりはしんどくなさそう。
……起きそうにないな。
おでこに手を当てると熱ピタがぬるくて
新しいのに変えてあげる。
もう少し課題をしようかな…。
珍しいけど、今日は学校を抜け出した分
少しだけ…まじめにやろう…。
きっと月曜日生徒指導の先生に怒られる。
『……月曜日…憂鬱だ』
そう呟いてまた机に向かう。
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作者名:凛桜 | 作成日時:2019年1月31日 17時