今日:20 hit、昨日:1 hit、合計:20,595 hit
小｜中｜大
★ ページ7
「ずっとずっと一緒だよって約束したのに。」
あれから何年、何十年経ったのだろう。
人魚が人間になれる薬が開発されるわけでもなく、
地球に隕石が落ちるわけでもなく、ただただ時だけが過ぎていってしまった。
「なんで、もっと早く教えてくれなかったの？」
私はぐちつぼと同じ時を過ごす間に違和感を感じ始めていた。
私は何も変わらないのにぐちつぼだけが歳をとる。
どうやら人間と人魚では寿命が違うらしい。
いつからかぐちつぼは私に会いに来てくれなくなった。
いや、二度と会いにはこれなくなったという方が正しいだろう。一人になってからどれだけの時間が過ぎたのかもわたしには知る術はない。
「会いたいよ。」
声は誰にも届かないで波の音にかき消される。
浜辺にはぐちつぼが私のために置いて行ってくれた地上の物がいくつか散らばったままだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃそ | 作成日時：2022年5月29日 1時
