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「さっきから言おうと思ってたんだけど、お前の頭に葉っぱ乗ってるぞ。」
ぐちつぼは笑いながら私の頭を指差した。
「えっ、ちょっと恥ずかしいじゃん！気づいてたなら早く言ってよ。」
私は急いで手で頭の上を払う。
頭に葉っぱ乗せてるってたぬきじゃあるまいし
それをずっとぐちつぼに見られいたと思うと恥ずかしくて仕方ない。
「そこじゃない、こっち。」
ぐちつぼは腕を伸ばして私の髪に触れた。
ドキッとして体が強張る。
ぐちつぼは葉っぱを取るとその辺りに捨てた。
「ん、取れた。」
目を細めて微笑んだその笑顔にまた胸が射抜かれる。
「あ、りがとう。」
言葉もうまく出てこないし
ドキドキして目も合わせられない。
「あのさ、このタイミングで言うのも変かも知れないんだけど。」
そう前置きをしてぐちつぼはゆっくり話し始める。
「やっぱ、Aは俺の側にいてほしい。しっかりしてそうでドジな所とか俺だけが知ってたいし、こうやって頭に乗った葉っぱを取ってやるのも俺だけがいい。」
これっていわゆる……。
「告白……？」
ぐちつぼの頬が真っ赤に染まっていく。
「アイスやった後だから物で釣ったみたいになってるけど俺、本気だから。」
「……だから、付き合ってほしい。」
あぁ、どうしよう。夢じゃないよね？
あまりにも自分に都合の良すぎる展開に、感情が高ぶって上手く言葉が出てこない。嬉しい、嬉しすぎる。
「私も、ずっと好きだった。こちらこそよろしくお願いします……。」
返事は返せたが、恥ずかしくて顔を見れない。顔が熱い。きっと私は茹で蛸のように顔が真っ赤になっているだろう。
「マジか、やべぇ、嬉しい。」
一方でぐちつぼはとても喜んでくれている。
「そっ、そろそろ帰ろ！暗いし！」
なんだか小っ恥ずかしくなりベンチから立ち上がる。
むず痒い空気が夜の公園に漂っている。
「わかった。じゃあ、ちょっとこっち向いて。」
ぐちつぼに言われるがまま顔を向けると
手を頬に当てられながら不慣れな優しいキスをされた。
すぐに顔の距離が離れるも頬に触れた私のより大きな手の感覚と、私のより温かい唇の感覚がいつまでも残っている。
「甘い、さっきアイス食ってたからか。」
ぐちつぼは照れを誤魔化すように話す。
「俺も満足したし、帰るか。」
そう言って差し出された手はとても温かかかった。
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作者名：ちゃそ | 作成日時：2022年5月29日 1時
