八乙女楽の奥さんはあの『ゼロ』を越えたアイドルでした… (ページ17)

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第十六話～それぞれの思惑～ページ17

『へぇ、私こんなところに住んでたんだ…』

そうポツリと呟いた女は俺の愛しい人だった…

でも違う…

『ねぇ、私の部屋ってどこ？』

八『あ、ごめん今案内する…』

俺は黙々と歩くAもそのあとを追うようにして歩く…

二人の中に沈黙が漂う…それを切り出したのは俺だった。

『なぁ、本当に何にも覚えてないのか？』

『何回言われても私に心当たりはないし。なぜ私が貴方と結婚しているのか、それもわからない。』

Aの姿をした人…そう思えば楽になるはずなのに俺はAを忘れられない。

『八乙女さん、』

八『楽でいいぞ、前のお前もそう呼んでたしな。』

『…じゃあ楽、私と別れて？』

八『何でだ？』

俺は内心パニック状態だった。

『私にはとてもとても大切な人がいます…でもどこに入るか分からない…』

俺じゃない誰かAは顔を赤らめいとおしそうにその名を呼んだ…『晴輝』と…

八『俺は別れない。』

そうだ、ここで諦めたら終わりだ。

『えっ？！何で？』

そう言うAの口を塞いだ。

『A一週間俺と付き合ってくれそれでもお前が晴輝ってやつを好きなら俺は諦める。』

『…わかった…』

でもこのときは知らなかった。まさか、こんなことになるとは…