キミがいる、キミといる。【うらたぬき】

・ U side ページ40

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まふ「で？ 僕の家に逃げて来たんですか」

うらた「うるせぇ」





Aの家に向かっている時、たまたま見てしまった。彼奴が男と楽しそうに歩いている姿を。







まふ「同僚の人かぁ...、しかもイケメン」

うらた「やめろ、掘り起こすな」





思い出したくもないあの光景が脳にこびりついて離れない。ソファーに置いてあるぬいぐるみに顔を埋め、もごもごと話す。






まふ「それで、うらたさんはどうしたいんですか？」

うらた「どうって、そりゃ＿＿＿＿」







.....どうしたいんだ、俺？

別に好きなわけじゃない...。そのはずなのに心臓が締め付けられる。すると、まふまふは一度水を飲んでから面と向かって口を開いた。







まふ「...例えば、空に虹がかかったとします」

うらた「は？」

まふ「それを一番に伝えたい人は誰ですか？」





急に変なことを言い出すまふまふに首を傾げる。





まふ「些細な喜びを、一番に共有したい人は誰ですか？」

うらた「誰って.....」





一瞬 ぱっ、と浮かんだ彼奴の姿。
俺の反応に気づいたのか、まふまふは小さく笑った。






まふ「うらたさん、それが“好き”ですよ」

うらた「好き.....」








すき、スキ.....
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿『好き』







俺はAが、好き.....？









うらた「そっ.....か...」





俺、Aが好きなんだ。そう思うと胸の内が軽くなった気がした。


俺、どこかで素直に認めたくなかったんだ...。







うらた「.....ありがとな、まふまふ」





そう言えば、ふわりと笑って手を振った。







まふ「いってらっしゃい、うらたさん」

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