・ U side ページ31
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うらた「ただいまー」
打ち上げ後、俺は寄り道せず直ぐに家に帰った。
といってもAの家だけど。
最近、自分の家じゃなくてAの家にばっか帰ってる気がする。なにこの半同居状態。
靴を脱ぎ、家に上がればリビングから零れる光。
うらた「(Aまだ起きてんの?)」
とっくに0時過ぎているってのに...
ゆっくりと扉を開け、恐る恐る中を覗けば机に伏せて眠るAの姿があった。
近づけば何かを書いてたのかペンを持ったままのA。
《おかえり、お疲れ様です。
うらたのことだから挨拶とかで全然食べれてないと思うから夜食作って冷蔵庫に入れてるから食べて。
あと、今日一番かっこよか》
うらた「(ふッ、最後の“た”くらい書けよ)」
途中で眠ってしまったんだろう。
苦笑しながら彼女の頬を突っつけば唸りながらモゾモゾと動き出す。すると、小さな口が半開きになり
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『わ......た、る』
うらた「ッ____」
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自分の名前が紡がれた。
半年...、いや、一年以上聞いたことない名前に胸が締め付けられる感覚がした。
不意に今日の坂田の言葉を思い出す。
うらた「一つに絞れないくらい大切......か」
あの時と同じように胸元を抑える。
確かにあの時、すとん と何かが落ちてくる感覚はしたんだ。
でも____
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うらた「(なんか、引っかかるんだよな)」
なんで俺がこんな事で悩まされなきゃいけないんだ。
Aの無防備な姿を見ればそんなことも忘れてしまう。
そ、と髪を指に絡ませる。
そうすれば少し微笑むように口角をあげる彼女
その姿に笑みがこぼれ、気づけば彼女の前髪をかきあげ額に口付けを落とそうとする。
...が、その行為はピタリと止まり2、3歩後ろに下がりその場にしゃがみこむ。
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うらた「〜〜ッなにしてんの、俺」
無意識に動いた身体に、自分でもわからなくなった。
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うらた「(__顔、あっつ......)」
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ハナボクロ(プロフ) - CIEL☆さん» ありがとうございます!一応完結ですがたま〜に番外編もだそうかとw次もよろしくお願いします! (2020年2月18日 8時) (レス) id: 0d95077ef8 (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - 完結でいいんですかね…?? 一先ずおめでとうございます。 二人の距離感がまた素敵でした!! お疲れ様でした、次作も楽しみにしています。 無理のない程度に頑張って下さいね応援しています!! (2020年2月18日 0時) (レス) id: 5d5b1bd419 (このIDを非表示/違反報告)
ハナボクロ(プロフ) - ぺるはむさん» 最後までありがとうございます!! もう次の作品書きたいがために必死に終わらせましたwまた次もよかったらよろしくお願いしますね! (2020年2月17日 21時) (レス) id: 0d95077ef8 (このIDを非表示/違反報告)
ぺるはむ - 完結した!?いやもう、ようやくくっついてくれたわ……本当に面白かったです!ツンデレキャラが多いうらたさんのめっちゃデレデレが見れて幸せでした! (2020年2月17日 19時) (レス) id: 296fc508a3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナボクロ(プロフ) - ぺるはむさん» ありがとうございます!私からすると早くくっつけ!!って感じなんですけどねwこの焦れったい感じがいいんです。 (2020年2月12日 21時) (レス) id: 0d95077ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナボクロ | 作成日時:2020年1月1日 15時