ペルソナ使いと海賊 (ページ5)

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シオンは意識が朦朧としており、声が出せなかった

『シオン！！くそっ！！！シオンに触るなぁぁぁぁぁ！！！！』

海を進んでいくシャドウに、Aは必死に銃に手を伸ばした

そして銃を掴むと、即座にこめかみを撃った

しかしAの様子がおかしい

『う……あ゛…………ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ！！！！！』

召喚されたジャックと呼ばれたペルソナは、身体を引き裂きその中から不気味なペルソナらしき化け物が現れた

化け物は彼女に見向きもせず真っ直ぐにシャドウと呼ばれた怪物に向かっていった

『…マルコ……シオンを……やつは…シオンを喰らう気だ……頼む…………シオンを…家族を助けてくれ…！！！』

彼女から現れた化け物はどうやら危険らしく、マルコに助けを求めたA

マルコの服を弱々しく掴みながら、彼女は涙を流した

「わかったよい。…イゾウ、コイツを頼むよい。」

マルコは身体を不死鳥化させると、シオンを助けに向かった

『シオン……また私は…失うのか……？』

自身を抱きしめて震えるAに、イゾウはそっと撫でることしか出来なかった

「あれは悪魔の実の力なのかい？」

イゾウは優しく、彼女に質問をした

イゾウの質問に彼女は首をフルフルと振った

『あれはもう一人の私……ペルソナと呼ばれる者。私の精神から現れた怪物よ。』

「じゃあシャドウ…と呼ばれた化け物は？あれも人から生まれたのか？」

Aの答えに、サッチも質問を返した

『そうよ。元は人々の負の感情から生まれた化け物。でもあのシャドウたちは人々の精神を喰らって生きてるシャドウ。…影時間に迷い込んだ人々の精神を喰らってね。そうして影時間で精神を喰われた人間は、現実世界で無気力症となって動けなくなる。』

彼女の答えに、イゾウたちは動けない船員たちを思い出した

「シオン…あの子がそれを取り除いてくれなかったらあいつらは無気力症で動けなくなったということだな…。」

『そう。…でもまさかやつが出てくるなんて……早く抑えないと…。』

再び銃を自身のこめかみにあてたA

目には恐怖の色が浮かんでいた

またあの化け物を生み出してしまったら取り返しがつかなくなるからだ

『…大丈夫………私にはシオンがいる…そうでしょ？ハナ。』

優しく微笑んだAは、迷わずこめかみを撃った

花吹雪と共に現れたのは、美しいペルソナ

桜を身に纏ったサクヤヒメだった