ペルソナ使いと海賊 (ページ1)

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特別だからページ1

『…かえりたいんですけどその子返して貰えません？』

大きな戦艦が二隻、そして小舟が一隻。

お分かりだろうか…今彼女は海賊に囲まれていた

『その子がいたんじゃあ、本気は出せない。死にたいなら別だけど。』

腰のホルダーから銀色の銃を取り出すと、彼女はニヤリと笑いながら自身のこめかみにソレを当てた

傍からみたら死にたがりだ

『…ペルソナ』

ボソリと呟いた彼女は迷うこと無く銃で頭を撃つ

それをみた海賊たちはゲラゲラと笑いながら人質の少女に手をかけようとした時だった

ジャラジャラと音が鳴り響き、本来であれば死ぬはずの女が生きている

その背後には巨大な白い狼が赤い目を光らせていた

海賊たちの目には恐怖の色と敵意の色が見え、一斉に武器を構えた

「お前悪魔の実の能力者だな！？どこのどいつだ！！」

しかし彼女は涼しい顔で、狼に指示を出した

『焼け…アギラオ』

狼は遠吠えをすると瞬く間に戦艦に炎が燃え広がった

敵が怯んだ隙に、彼女は人質の少女を抱き抱えて小舟に戻った

『まったく…怪我はしてないだろうな？』

小舟に少女を降ろすと、少しグズってはいるものの怪我はしていない様子だった

「うわーーん！！怖かったよA～！！」

『分かったから落ち着きなさい。…シオン？』

Aの胸に顔を埋めたまま動かなくなったシオンと呼ばれた少女はガクリと力が抜けたようにたおれた

荒い呼吸を繰り返すシオンを見たAは彼女の秘密を思い出し、近くに島がないか見聞色の覇気で探す

『シオン！！…！あの船……仕方ないな。』

目視できる海域に、鯨のような船を見つけた彼女は最悪の事態も考えながらそこへと飛んだ

空中を蹴って進む彼女の姿は

海兵のようにもみえた

船に降り立ったAはすぐにシオンを寝かせ、付近の男を捕らえて人質にすると出来るだけ大きな声で話した

『今すぐに武器を納めろ！コイツの命が惜しければ医務室をかせ！！』

怒鳴るように話した彼女に対し、人質以外の船員たちは呆れながら笑った

「なにやってんすかマルコ隊長～！」

茶化し始めた船員たちに怒りを覚え、マルコと呼ばれた男を手にかけようとした時だった

「離してくれねぇかよい…その子……苦しそうだ。医務室なら使っても構わねぇから早く治療してやれよい。」

『…案内しろ。』

敵意の色が感じられないが、Aは警戒しながらシオンを抱き抱えるとマルコと共に船内へと消えていった