女医とパイナップル (ページ2)

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『お疲れ様でした。もし痛みや変わったことがございましたらすぐにご連絡下さいね。』

｢いつもありがとうねぇ…そうだわ、これみなさんで是非召し上がってくださいな。｣

おばあちゃんが差し出した紙袋にはあの美味しくて有名なドーナツ店の印刷がしてあった

思わず、白衣を着た女性…Aは受け取れないと断ったが流れるように渡されてしまい受け取ることにした

｢はやく孫が見たいわねぇ…｣

おばあちゃんの発言にAは苦笑いを浮かべながら口を開いた

『あはは…いい男がいたら考えますよ。リオナさん、受付の子からお薬貰ってくださいね。ドーナツ、美味しく頂きます。』

ニコニコ笑顔でおばあちゃんを診察室から送り出すと、深いため息をついてドカリと自分用のソファに深く腰かけた

｢フフ…お疲れのようね？A。｣

野菜ジュースを持って声をかけたのは、マフィアの関係者とはいえ仲のいいドンキホーテファミリーから助っ人で来ているモネさんだ

いつも綺麗だなぁと思う

ボケーッと眺めていると、クスクスとモネさんが笑うので首を傾げた

｢心の声がダダ漏れよ？…それと今日だけど夜、食事でもどうだ？って若様が…。｣

野菜ジュースを飲みながら、モネの話を聞いているAだったが野菜ジュースを飲み干すとすぐに答えた

『それは断っておいてよ…今日は食べるところ決まってるからさ…よし、今日はもう終わりだしドーナツはモネさんが持って帰ってよ。妹さんいるしさ。』

｢あら、ありがとう！シュガーも貴女に会いたがってたわ。じゃ、私は先に帰るわね。｣

モネが退室すると、ソファに寝転がるA

『眠い……まだ15時だし、ちょっと…ねよ……う………。』

そう言って眠ったところで、ガチャリと診察室の部屋の扉が開く

｢なぁエース、寝てるぞ？｣

入ってきたのは高校の問題児のルフィ

そしてルフィの兄であるエースだった

二人の血は繋がってはいないが心奥深いところから繋がっている

エースはポリポリと頭をかくと、Aをおぶった

｢…仕方ねぇ、ルフィ。俺はこれからバイトだしこの人も店に連れていかないといけねぇからお前は先に帰って飯食っとけ。｣

エースは器用に白衣を脱がせ、靴も履き替えて戸締りや必要な書類とカバンを持つと病院を出て直ぐに…

『んん…んぅ…。』

Aが身動ぎしたので冷や汗を流したエース

｢…ルフィ、Aさん起きたか？｣

｢起きてねぇぞ。俺帰るな。｣

｢おう。｣